
新築住宅へ入居してしばらくすると、住宅会社から3か月点検、6か月点検、1年点検、2年点検などの案内が届くことがあります。
しかし、初めて点検を受ける方は、「どこまで見てもらえるのか」「小さな不具合も伝えてよいのか」「点検で見つかった問題は無料で直してもらえるのか」と迷うことも多いでしょう。
新築住宅の定期点検は、住宅会社へ住宅の状態を見てもらうだけの日ではありません。入居後に気づいた不具合を整理し、原因、保証対象、補修方法、対応期限を確認する重要な機会です。
特に1年・2年点検では、建具の作動不良、床鳴り、壁紙の浮き、水漏れなど、生活を始めてから分かった問題を住宅会社へ明確に伝える必要があります。
この記事では、新築住宅の定期点検で確認する場所、点検前の準備、時期別のチェック項目、指摘事項の伝え方、補修後の確認方法を解説します。
この記事のポイント
- 点検時期と保証期間は住宅会社ごとに異なる
- 点検前に保証書と点検規準を確認する
- 不具合は写真・動画・発生日を記録する
- 住宅会社が来る前に家族で確認する
- 点検結果と補修予定を書面でもらう
- 補修後に再確認する
- 点検・修理履歴を長期間保存する
- 保証期限前に未解決事項を整理する
結論|点検前の準備が重要

新築住宅の定期点検を有効に活用するためには、点検当日に住宅会社と一緒に不具合を探し始めるのではなく、事前に確認事項を一覧化しておく必要があります。
基本的な流れは次のとおりです。
- 保証書と点検スケジュールを確認する
- 家族で住宅全体を確認する
- 不具合を写真や動画で記録する
- 発生条件と頻度を整理する
- 点検前に住宅会社へ一覧を送る
- 点検当日に原因と対応方法を確認する
- 補修期限を書面で決める
- 補修後に再確認する
住まいるダイヤルは、定期点検で気づいた不具合について住宅会社へ明確に伝え、保証期間内に補修を求めることが重要だと案内しています。指摘箇所は口頭だけでなく書面に残し、補修完了日を決めて、補修後の確認も行うことが大切です。
定期点検では、次の3つを分けて確認してください。
| 確認内容 | 主な目的 |
|---|---|
| 不具合 | 建具、設備、水漏れなどの問題確認 |
| 経年変化 | 材料の乾燥や使用による変化の確認 |
| メンテナンス | 清掃、交換、補修が必要な時期の確認 |
すべての変化が施工不良とは限りません。
一方で、「新築だからよくあることです」という説明だけで、不具合を放置してよいわけでもありません。
原因、補修の必要性、保証対象かどうかを住宅会社へ具体的に確認しましょう。
定期点検では、不具合の数より「指摘内容と住宅会社の回答が記録されているか」が重要です。
定期点検とは

新築住宅の定期点検とは、引き渡し後の一定時期に、住宅会社などが建物や設備の状態を確認するサービスです。
住宅会社によって、次のような名称が使われます。
- 定期点検
- アフター点検
- 無料点検
- 定期巡回
- 住宅診断
- メンテナンス点検
点検時期の例は次のとおりです。
- 3か月
- 6か月
- 1年
- 2年
- 5年
- 10年
ただし、すべての住宅会社が同じ時期に点検するわけではありません。
点検回数、対象箇所、無料期間、申込方法は、住宅会社の保証書やアフターサービス規準によって異なります。
法定検査とは異なる
引き渡し後の定期点検は、建築基準法に基づく完了検査とは異なります。
完了検査は、住宅の完成時に確認申請の内容や建築基準関係規定への適合を確認する検査です。
定期点検は、入居後の住宅の状態や不具合、維持管理の必要性を確認するために、住宅会社が独自に実施するサービスが中心です。
点検と保証は別
無料の定期点検を受けても、見つかった不具合がすべて無料補修になるとは限りません。
無料点検は、一般的に点検作業の費用がかからないという意味です。
補修費用の負担は、次の内容によって判断されます。
- 不具合の原因
- 保証対象部位
- 保証期間
- 免責事項
- 使用方法
- 経年劣化
- メンテナンス状況
- 第三者による工事の有無
点検を受ける前に、住宅会社の保証書とアフターサービス規準を確認してください。
【関連記事:住宅会社の保証とアフターサービスを比較するポイント|長期保証の注意点】
点検時期を確認する
引き渡し時にもらった書類から、定期点検の予定を確認します。
探す書類は次のとおりです。
- 住宅会社の保証書
- アフターサービス規準
- 定期点検スケジュール
- 長期保証の案内
- メンテナンス計画
- 長期優良住宅の維持保全計画
確認する内容は次のとおりです。
- 点検予定月
- 点検申込期限
- 住宅会社から案内が届くか
- 施主から予約する必要があるか
- 点検費用
- 出張費
- 点検対象
- 点検所要時間
- 点検担当者
- 保証延長との関係
点検の案内が届かない場合でも、保証書に予定が記載されていれば、施主から住宅会社へ確認してください。
「案内が来なかったから受けられなかった」という状態を避けるため、点検予定を自分のカレンダーにも登録します。
長期優良住宅の点検
長期優良住宅の認定を受けた住宅では、認定時の維持保全計画に従って点検、調査、修繕などを実施し、その記録を作成・保存する必要があります。国土交通省の案内では、維持保全期間は30年以上、点検時期の間隔は10年以内とされています。具体的な点検時期は、各住宅の維持保全計画を確認してください。
長期優良住宅では、住宅会社の無料点検だけを受ければ必ず要件を満たすとは限りません。
次の書類を確認してください。
- 長期優良住宅認定通知書
- 維持保全計画書
- 点検予定
- 点検対象部位
- 修繕予定
- 記録の保存方法
点検や修繕を行った場合は、報告書、写真、見積書、領収書などを住宅履歴として保管します。
点検前に準備すること
保証期間を確認する
住宅の保証期間は、部位ごとに異なることがあります。
確認する項目は次のとおりです。
- 構造
- 防水
- 外壁
- 屋根
- 防蟻
- 地盤
- 内装
- 建具
- 給排水
- 住宅設備
- 外構
新築住宅では、構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分について、住宅事業者が引き渡しから10年間の責任を負います。ただし、内装、建具、設備など住宅全体が10年間同じ条件で保証されるわけではありません。
内装や建具などは、住宅会社独自の保証期間が設定されている場合があります。
2年点検を迎える前に保証が終了する項目がないか、保証書で確認してください。
家族から不具合を集める
住宅の使い方は家族によって異なります。
点検前に、家族全員へ次の質問をしてください。
- 開けにくいドアはないか
- 音がする床はないか
- 使えないコンセントはないか
- 水の流れが悪い場所はないか
- 臭いが気になる場所はないか
- 結露しやすい窓はないか
- 雨の日に気になる場所はないか
- 外構に水がたまらないか
- 収納が使いにくくなっていないか
- 設備にエラーが出ていないか
普段あまり使わない部屋や収納も確認してください。
不具合一覧を作る
次のような表へまとめます。
| 番号 | 場所 | 症状 | 発見日 | 発生条件 |
| 01 | LDK入口 | ドアが枠に当たる | 7月10日 | 毎回 |
| 02 | 洗面台下 | 使用後に水滴が付く | 7月15日 | お湯使用後 |
| 03 | 2階寝室 | 床が鳴る | 7月20日 | 窓側を歩いたとき |
| 04 | 駐車場 | 雨水がたまる | 7月25日 | 強い雨のあと |
「調子が悪い」とだけ書くのではなく、場所と発生条件を具体的に記載します。
写真と動画を撮る
静止画で伝えにくい不具合は、動画で記録します。
動画が役立つ症状は次のとおりです。
- 床鳴り
- 建具の異音
- 換気扇の異音
- 排水の逆流
- 設備のエラー
- 雨漏り
- 電動シャッターの作動不良
- ドアが自然に動く状態
雨の日だけ発生する不具合は、点検当日に再現できない可能性があります。
発生時の写真や動画を残しておきましょう。
点検前に一覧を送る
可能であれば、点検日の数日前までに不具合一覧を住宅会社へ送ります。
住宅会社が、設計担当者、設備業者、メーカー担当者などの同行を手配しやすくなるためです。
送付時には、次のように伝えます。
定期点検で確認をお願いしたい項目を一覧にしました。点検当日に確認できるよう、必要に応じて担当部署や設備業者への共有をお願いします。
3か月点検の確認項目
3か月点検がある場合は、入居直後に気づいた問題を中心に確認します。
設備の使い方
入居したばかりの時期は、設備の故障ではなく、設定や操作方法が原因となっている場合があります。
確認する設備は次のとおりです。
- 給湯器
- 24時間換気
- 浴室乾燥機
- 食器洗い乾燥機
- 電気錠
- インターホン
- 太陽光発電
- 蓄電池
- 床暖房
- 電動シャッター
エラー表示や異音がある場合は、発生時の写真や動画を見せてください。
建具
- 玄関ドア
- 室内ドア
- 引き戸
- 収納扉
- 窓
- 網戸
- シャッター
開閉の重さ、枠への接触、鍵のかかりにくさなどを確認します。
水回り
- キッチン
- 洗面台
- 浴室
- トイレ
- 洗濯機
- 屋外水栓
収納内部や床に、水滴、湿気、変色がないか確認してください。
小さな水漏れでも放置すると、収納材や床材へ影響する可能性があります。
電気
- コンセント
- スイッチ
- 照明
- 人感センサー
- LAN端子
- テレビ端子
- エアコン用回路
使い始めてから分かった配線間違いや動作不良を整理します。
家具を置いた結果コンセントが使いにくいという問題は、施工不良ではなく計画上の問題である可能性があります。
保証対応か有償変更かを分けて確認してください。
6か月点検の確認項目

6か月程度住むと、季節の変化や日常生活による住宅の状態が見え始めます。
壁紙
- 継ぎ目
- 隙間
- 浮き
- 剥がれ
- しわ
- 汚れ
- ひび割れ
木造住宅では、木材の乾燥や湿度変化などに伴い、壁紙の継ぎ目や取り合い部分に変化が見られることがあります。
ただし、原因や補修の必要性は状態によって異なります。
住宅会社へ、単なる表面補修でよいのか、下地の確認が必要なのか説明を求めてください。
床
- 床鳴り
- きしみ
- 沈み
- 反り
- 隙間
- 変色
- 傷
床鳴りがある場合は、発生する位置へ目印を付けておきます。
気温や湿度によって症状が変わる場合は、発生した季節や時間帯も記録してください。
建具
住宅の乾燥や湿度変化によって、ドアや引き戸の動きが変わることがあります。
- 枠へ当たる
- 鍵がかかりにくい
- 自然に開く
- 自然に閉まる
- 異音がする
- ソフトクローズが動かない
調整だけで改善するのか、建具や床の状態を調査する必要があるのか確認します。
1年点検の確認項目
1年点検では、四季を通して生活したことで分かった問題を整理します。
住まいるダイヤルの相談事例でも、1年・2年点検で気づいた壁紙、建具、床などの不具合は、住宅会社へ明確に申し入れ、保証期間内に補修を求めることが案内されています。
雨の日の状態
1年間住むと、大雨、台風、強風などを経験している場合があります。
確認する項目は次のとおりです。
- 雨漏り
- 窓周辺の水滴
- 天井や壁の染み
- バルコニーの水たまり
- 雨どいのあふれ
- 外構の水たまり
- 基礎周辺の排水
- 室内への吹き込み
雨漏りが疑われる場合は、濡れた場所だけでなく、発生時の雨量、風向き、時間帯も記録してください。
結露
- 窓
- サッシ
- 玄関ドア
- 収納内部
- 北側の部屋
- 小屋裏
- 床下
結露は、断熱性能だけでなく、室温、湿度、換気、暖房方法、生活状況など複数の要因が関係します。
住宅会社へ相談する際は、室温と湿度、換気設備の運転状況も伝えてください。
外壁・基礎
地上から安全に確認できる範囲を見ます。
- 外壁のひび割れ
- シーリング
- 汚れ
- 塗装
- 基礎のひび割れ
- 欠け
- 雨どい
- 配管貫通部
ひび割れを見つけた場合は、長さ、幅、位置が分かる写真を残します。
施主だけで構造上の問題か判断せず、工事監理記録や設計図も踏まえて住宅会社へ確認してください。
屋外設備
- 給湯器
- エアコン室外機
- 太陽光発電
- 蓄電池
- 屋外水栓
- 屋外コンセント
- EV充電設備
振動、異音、排水、固定状態を確認します。
外構
- 駐車場
- アプローチ
- フェンス
- 門柱
- ブロック
- カーポート
- 雨水排水
- 土の沈下
- 植栽
コンクリートのひび割れや地面の沈下を見つけた場合は、状態の変化が分かるよう定期的に同じ位置から撮影します。
2年点検の確認項目
2年点検では、住宅全体を改めて確認するとともに、保証期限が近い項目を整理します。
住宅会社によっては、内装、建具、設備などの一部保証を1年または2年などに設定している場合があります。
2年点検を受ける前に、保証書の部位別保証期間を確認してください。
保証期限が近い部位
- 壁紙
- 床
- 室内ドア
- 収納扉
- 網戸
- 塗装
- タイル
- 設備
- 給排水
- 外構
保証期間が一律とは限らないため、「2年点検があるから、すべて2年間保証される」と考えないようにしてください。
過去の指摘箇所
これまでに補修した場所を再確認します。
- 同じ症状が再発していないか
- 補修部分が目立っていないか
- 周囲へ別の不具合が出ていないか
- 仮補修のままになっていないか
- 補修完了書を受け取っているか
同じ不具合が繰り返される場合は、表面だけでなく原因調査を依頼してください。
水漏れ・排水
- 洗面台下
- キッチン下
- トイレ周辺
- 洗濯機
- 浴室
- 給湯器
- 屋外配管
- 排水桝
普段見えない収納内部や点検口周辺も確認します。
換気・空調
- 24時間換気
- 給気口
- 排気口
- フィルター
- 換気ダクト
- エアコン
- 床暖房
フィルター清掃不足など、施主側のメンテナンスが必要な項目も確認してください。
住宅全体の変化
- 床の傾き
- ドアの作動
- 窓の作動
- 壁のひび割れ
- 天井の染み
- 外壁
- 基礎
- バルコニー
- 外構
複数の部屋でドアが自然に動く、床の傾きを感じるなど、住宅全体に関係する症状がある場合は、簡単な建具調整だけで終わらせず、原因の説明を求めましょう。
5年・10年点検の確認
5年や10年の点検では、不具合対応だけでなく、計画的なメンテナンスの検討が中心になります。
確認する部位
- 屋根
- 外壁
- シーリング
- バルコニー防水
- 防蟻
- 給湯器
- 換気設備
- 給排水管
- 太陽光発電
- 蓄電池
- 外構
保証延長
長期保証を延長するため、住宅会社指定の点検や有償補修が必要になる場合があります。
確認する項目は次のとおりです。
- 延長対象部位
- 点検時期
- 点検費
- 指定補修
- 補修費
- 更新手続き
- 新しい保証期間
- 保証対象外
- 指定業者以外へ依頼した場合の扱い
新築から10年を経過する住宅では、点検や必要なメンテナンスを行ったうえで、基本構造部分などの保証を延長する「延長かし保険」を利用できる場合があります。利用条件や保険期間は商品によって異なります。
場所別チェックリスト
玄関
□ 玄関ドアがスムーズに動く
□ 鍵が正常にかかる
□ 電気錠が動く
□ ドアクローザーが動く
□ タイルに大きな割れがない
□ 玄関収納が動く
□ インターホンが使える
□ 玄関照明が点灯する
床・壁・天井
□ 床鳴りがない
□ 床の沈みがない
□ 大きな隙間がない
□ 壁紙が浮いていない
□ 壁紙が剥がれていない
□ 壁にひび割れがない
□ 天井に染みがない
□ カビや異臭がない
窓・建具
□ 窓がスムーズに動く
□ 鍵が正常にかかる
□ 網戸が外れない
□ シャッターが動く
□ 室内ドアが枠に当たらない
□ 引き戸が自然に動かない
□ 収納扉が閉まる
□ 取っ手が緩んでいない
キッチン
□ 水とお湯が出る
□ 排水が遅くない
□ 水漏れがない
□ 食洗機が動く
□ 加熱機器が動く
□ レンジフードが動く
□ 扉・引き出しが動く
□ シーリングに隙間がない
浴室・洗面・トイレ
□ 浴室から水漏れがない
□ 排水が正常
□ 浴室換気が動く
□ 浴室乾燥機が動く
□ 洗面台下に水漏れがない
□ トイレが正常に流れる
□ トイレ周辺に水漏れがない
□ 排水口から強い臭いがしない
電気・換気
□ コンセントが使える
□ スイッチが動く
□ 照明が点灯する
□ 人感センサーが動く
□ 24時間換気が動く
□ 異音がない
□ 給気口が開いている
□ フィルターを清掃できる
外回り
□ 外壁に大きなひび割れがない
□ シーリングに切れがない
□ 基礎に気になるひび割れがない
□ 雨どいが外れていない
□ 外構に大きな沈下がない
□ 駐車場に水がたまらない
□ フェンスが傾いていない
□ 屋外設備が固定されている
点検当日の進め方
指摘一覧を渡す
点検開始時に、事前に作成した不具合一覧を担当者へ渡します。
一つずつ現地で確認し、次の分類を行います。
- 保証対象として補修
- 調査後に判断
- メンテナンスで対応
- 使用方法の説明
- 保証対象外
- 経過観察
「経過観察」とする場合は、次回確認日と、どの状態になったら再連絡するかを決めます。
原因を確認する
住宅会社へ次の質問をしてください。
- 原因は何ですか
- 施工上の問題ですか
- 材料の変化ですか
- 使用方法が関係しますか
- 調査は必要ですか
- 放置するとどうなりますか
- 保証対象ですか
- 補修方法は何ですか
- 再発する可能性はありますか
「よくあることです」という説明だけでは、対応の必要性を判断できません。
原因と根拠を具体的に聞いてください。
補修方法を確認する
同じ症状でも、補修方法は複数考えられます。
確認する内容は次のとおりです。
- 清掃
- 調整
- 部分補修
- 部材交換
- 張り替え
- 原因調査
- 経過観察
部分補修によって周囲との色や質感が変わる可能性がある場合は、仕上がりも確認します。
費用を確認する
有償と説明された場合は、作業を依頼する前に見積書を受け取ってください。
確認する項目は次のとおりです。
- 保証対象外となる理由
- 保証書の該当条項
- 作業内容
- 材料費
- 作業費
- 出張費
- 調査費
- 税金
点検担当者へその場で口頭依頼するだけでなく、正式な見積もりを確認してから承認します。
点検記録を受け取る
点検後は、点検結果を記載した報告書を受け取ります。
記載してほしい内容は次のとおりです。
- 点検日
- 点検担当者
- 点検箇所
- 指摘事項
- 原因
- 保証対象か
- 補修方法
- 費用負担
- 補修予定日
- 再確認日
- 経過観察項目
住宅の図面、確認書類、点検結果、修繕・リフォームの記録などを蓄積したものは「住宅履歴情報」と呼ばれ、将来の維持管理や売却時に活用できます。
点検報告書は破棄せず、引き渡し書類と一緒に保存してください。
補修後に確認すること
補修が終わったら、次の点を確認します。
- 指摘した症状が直ったか
- 合意した補修方法か
- 補修部分に新しい傷がないか
- 周囲と仕上がりが合っているか
- 設備が正常に動くか
- 同じ症状が再発していないか
- 補修完了書を受け取ったか
補修前と補修後の写真を保存します。
完了していないのに、補修完了確認書へ署名しないようにしてください。
対応されない場合
住宅会社へ補修を依頼しても回答がない場合は、口頭連絡だけで終わらせず、書面で再度依頼します。
書面には次の内容を記載します。
- 契約者名
- 住宅の住所
- 引渡日
- 不具合の場所
- 不具合の状態
- 発見日
- 点検で伝えた日
- 担当者の回答
- 希望する対応
- 回答期限
保証期間内に補修を依頼したことが分かる記録を残すことが重要です。住まいるダイヤルも、保証期間内の補修依頼へ住宅会社が対応しない場合は、契約書を確認し、書面で補修を求める方法を案内しています。
営業担当者だけで解決しない場合は、次の窓口へ順番に連絡します。
- アフターサービス担当
- 支店長・責任者
- 本社相談窓口
- 保証会社・保険法人
- 住まいるダイヤル
- 建築士・弁護士
緊急性がない状態で、住宅会社に無断で別業者へ補修を依頼すると、保証や費用負担の判断が複雑になる可能性があります。
先に契約内容と住宅会社の対応を確認してください。
点検前チェックリスト
書類
□ 保証書を確認した
□ アフターサービス規準を確認した
□ 点検予定を確認した
□ 部位別の保証期限を確認した
□ 前回の点検報告書を確認した
□ 過去の補修記録を確認した
□ 最終図面を準備した
不具合の整理
□ 家族へ気になる場所を聞いた
□ 住宅全体を確認した
□ 不具合一覧を作った
□ 発見日を記録した
□ 発生条件を記録した
□ 写真を撮った
□ 動画を撮った
□ 点検前に住宅会社へ送った
点検当日
□ すべての指摘箇所を見てもらった
□ 原因を確認した
□ 保証対象か確認した
□ 補修方法を確認した
□ 費用負担を確認した
□ 補修期限を確認した
□ 経過観察の期限を確認した
□ 点検報告書を受け取った
補修後
□ 補修箇所を再確認した
□ 補修前後の写真を保存した
□ 再発がないか確認した
□ 補修完了書を受け取った
□ 保証期間への影響を確認した
□ 点検・補修記録を保存した
よくある質問
定期点検は必ず受ける必要がありますか?
住宅会社の独自点検については、契約や保証制度によって扱いが異なります。
長期保証の延長条件として点検が必要な場合もあるため、保証書とアフターサービス規準を確認してください。
長期優良住宅では、認定時の維持保全計画に基づいた点検・修繕と記録保存が必要です。
点検の案内が届きません
引き渡し書類で予定時期と申込方法を確認し、住宅会社のアフターサービス窓口へ連絡してください。
施主から申し込まなければ点検が行われない会社もあります。
点検期限が過ぎる前に、メールなど記録が残る方法で問い合わせましょう。
小さな壁紙の隙間も伝えてよいですか?
気になる変化は遠慮せず伝えて構いません。
ただし、住宅会社が補修すべき不具合か、材料の変化や日常的なメンテナンスに該当するかは、状態と保証条件によって異なります。
原因と補修方法を確認してください。
点検時に家具を動かす必要はありますか?
確認したい場所が家具で隠れている場合は、点検前に安全な範囲で移動します。
大型家具を無理に動かす必要はありません。
床や壁の不具合を確認したい場合は、事前に住宅会社へ相談してください。
点検で見つかった不具合は無料ですか?
すべて無料とは限りません。
施工や材料の不具合で保証期間内なら無償補修となる可能性がありますが、経年劣化、使用方法、手入れ不足、第三者による工事などが原因の場合は有償になることがあります。
保証書の対象部位と免責事項を確認してください。
2年点検を過ぎると保証はなくなりますか?
住宅全体の保証が一律に終了するわけではありません。
構造や雨水浸入に関する法定責任、住宅会社の独自保証、設備メーカー保証などで期間が異なります。
一方、内装や建具など一部の保証が1年・2年などに設定されている場合があるため、点検前に部位別保証期間を確認してください。
床鳴りは直してもらえますか?
原因によって判断が異なります。
発生位置、頻度、季節、温度・湿度などを記録し、住宅会社へ調査を依頼してください。
単なる調整で改善する場合もあれば、床下などの確認が必要になる場合もあります。
基礎のひび割れは危険ですか?
ひび割れの幅、深さ、位置、進行状況によって判断が異なります。
写真を撮り、住宅会社や工事監理者へ確認してください。
施主の目視だけで、構造上の問題があるかどうかを断定しないようにしましょう。
点検報告書は保管した方がよいですか?
長期保管してください。
点検、修理、メンテナンスの記録は、今後の維持管理、保証対応、リフォーム、売却時に役立ちます。国土交通省も、点検や修繕の記録を住宅履歴情報として蓄積・活用することを案内しています。
住宅会社が倒産したら点検はどうなりますか?
住宅会社独自の無料点検やアフターサービスは、倒産によって継続できなくなる可能性があります。
構造耐力上主要な部分や雨水の浸入を防止する部分について、瑕疵保険付き住宅で対象となる瑕疵がある場合は、住宅取得者が保険法人へ直接請求できる仕組みがあります。
ただし、壁紙や建具などがすべて瑕疵保険の対象になるわけではありません。保険付保証明書と住宅会社の保証書を確認してください。
まとめ|点検記録を残す
新築住宅の定期点検は、住宅会社に家を見てもらうだけの行事ではありません。
入居後に気づいた不具合を整理し、保証期間内に補修の必要性を確認する重要な機会です。
確認するポイントを整理します。
- 点検スケジュールを確認する
- 保証書と点検規準を読む
- 部位別の保証期間を確認する
- 家族から不具合を集める
- 発生日と発生条件を記録する
- 写真と動画を残す
- 点検前に不具合一覧を送る
- 原因と保証対象を確認する
- 補修方法と期限を決める
- 点検結果を書面でもらう
- 補修後に再確認する
- 過去の補修箇所も確認する
- 1年・2年の保証期限へ注意する
- 点検・修繕履歴を長期間保存する
最も避けたいのは、点検担当者へ口頭で不具合を伝えただけで、補修日や対応方法を決めずに点検を終えることです。
点検後には、次の5項目を確認してください。
- どこに問題があるか
- 原因は何か
- 保証対象になるか
- いつ、どのように直すか
- 補修後に誰が確認するか
不具合が見つからなかった場合も、点検報告書を受け取り、住宅履歴として保存しておきましょう。
新築時から点検・修理・メンテナンスの記録を残すことで、住宅の状態を把握しやすくなり、将来のリフォームや売却時にも役立ちます。
※定期点検の時期、対象範囲、補修費用、保証期間は住宅会社や契約内容によって異なります。保証書とアフターサービス規準を確認し、重大な不具合や補修を巡る問題がある場合は、住宅専門の相談窓口や建築士、弁護士などへ相談してください。
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