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長期優良住宅とは?注文住宅で後悔しないメリット・デメリット

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注文住宅を検討していると、「長期優良住宅」という言葉をよく見かけます。

「長期優良住宅にした方がいい?」
「普通の注文住宅と何が違う?」
「税金や住宅ローン控除で得になる?」
「ZEH住宅とは何が違う?」
「認定を取ると費用が高くなりすぎない?」

このように迷う人は多いでしょう。

結論から言うと、長期優良住宅は、長く安心して住みたい人にとって有力な選択肢です。

ただし、税制優遇や補助金だけを目的に選ぶと後悔する可能性があります。

長期優良住宅は、長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた住宅で、建築と維持保全に関する計画を作成し、所管行政庁へ申請することで認定を受けられる制度です。つまり、住宅会社が「丈夫な家です」と言うだけでは長期優良住宅にはなりません。認定を受けるための計画・基準・手続きが必要です。

この記事では、長期優良住宅の意味、認定基準、メリット・デメリット、ZEH住宅との違い、補助金や住宅ローン控除との関係、契約前に確認すべきポイントを初心者向けに解説します。

この記事でわかること

  • 長期優良住宅とは何か
  • 普通の注文住宅との違い
  • 長期優良住宅の認定基準
  • 長期優良住宅のメリット
  • 長期優良住宅のデメリット
  • ZEH住宅との違い
  • 補助金・住宅ローン控除との関係
  • 長期優良住宅で後悔しない確認ポイント

結論|長期優良住宅は「長く使う前提」の家

長期優良住宅は、簡単に言えば、長く良好な状態で住み続けるための性能と計画を備えた住宅です。

ただし、「長期優良住宅=絶対に壊れない家」ではありません。

正しくは、次のような考え方です。

  • 劣化しにくい構造にする
  • 地震に配慮する
  • 点検や修繕をしやすくする
  • 省エネ性能を確保する
  • 一定以上の住戸面積を確保する
  • 地域の居住環境に配慮する
  • 災害リスクに配慮する
  • 維持保全計画を立てる

国土交通省は、長期優良住宅の認定を受けるには、建築・維持保全計画が「長期にわたり良好な状態で使用するための措置」「住宅面積」「地域の居住環境」「維持保全計画」「自然災害への配慮」などの基準に適合する必要があると示しています。

つまり、長期優良住宅は「建てた瞬間の見た目」よりも、「建てた後に長く使えるか」を重視する住宅です。

長期優良住宅とは

長期優良住宅とは、長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅です。

国土交通省によると、長期優良住宅は、建築および維持保全の計画を作成し、所管行政庁に申請することで認定を受けることができます。新築住宅の認定制度は平成21年6月4日から開始されています。

ここで重要なのは、次の2点です。

1つ目は、着工前に申請が必要なことです。

長期優良住宅の認定を受けようとする建築主または分譲事業者は、建築および維持保全に関する計画を作成し、着工前に所管行政庁へ申請する必要があります。契約後や完成後に「やっぱり長期優良住宅にしたい」と思っても、簡単に後付けできるものではありません。

2つ目は、建てた後の維持管理も前提になることです。

長期優良住宅は、認定を受けた計画に基づいて建築し、完成後は維持保全計画に沿って点検・補修・記録保存を行う必要があります。認定を受けた住宅の建築・維持保全状況について、所管行政庁から報告を求められる場合もあります。

つまり、長期優良住宅は「認定を取って終わり」ではありません。

認定後も、家をきちんと管理していくことが前提です。

普通の注文住宅との違い

普通の注文住宅でも、性能の高い家を建てることはできます。

しかし、長期優良住宅は、一定の基準を満たしたうえで、所管行政庁から認定を受ける点が違います。

比較項目 一般的な注文住宅 長期優良住宅
性能基準 住宅会社の仕様による 認定基準に適合する必要がある
申請 原則不要 着工前に認定申請が必要
維持管理 任意で行うことが多い 維持保全計画が必要
税制優遇 一般住宅の扱い 一定の税制優遇を受けられる場合がある
書類 住宅会社の資料中心 認定通知書や維持保全関係書類が重要
将来の管理 施主の判断次第 記録作成・保存が求められる

長期優良住宅にする意味は、単に「高性能な家にすること」ではありません。

性能・手続き・維持管理をセットで制度化することに意味があります。

長期優良住宅の主な認定基準

長期優良住宅の認定基準は細かく分かれますが、初心者はまず全体像を押さえましょう。

国土交通省は、長期優良住宅の認定基準として、住宅の構造・設備、住宅面積、地域の居住環境、維持保全計画、自然災害への配慮などを挙げています。

劣化対策

長期優良住宅では、構造躯体を長く使えるように、劣化対策が重要になります。

木造住宅であれば、湿気、シロアリ、腐朽、雨水の侵入などへの配慮が必要です。

ここで大事なのは、ただ高価な材料を使うことではありません。

点検できること、補修できること、劣化しにくい設計になっていることが重要です。

耐震性

長期優良住宅では、地震への配慮も重要です。

日本で注文住宅を建てる以上、耐震性能は避けて通れません。

ただし、ここで注意したいのは、「長期優良住宅だから地震で絶対に壊れない」と誤解しないことです。

耐震性能は高いほど安心材料になりますが、地盤、建物形状、施工品質、メンテナンスも関係します。

土地選びの段階から、地盤や災害リスクも確認してください。

維持管理のしやすさ

長期優良住宅では、給排水管などの維持管理や更新のしやすさも重要です。

家は建てて終わりではありません。

給湯器、配管、外壁、屋根、設備は、長く住むほど点検や交換が必要になります。

見た目だけで選んだ家は、後から修繕しにくい場合があります。

長期優良住宅では、将来の点検や修繕を前提に考える点が重要です。

省エネルギー性

長期優良住宅では、省エネ性能も重視されます。

断熱性能や設備効率が低い家は、長く住むほど光熱費や快適性で不利になります。

ZEH住宅ほど創エネに特化するわけではありませんが、長期優良住宅でも省エネ性能は重要な要素です。

住戸面積

長期優良住宅では、良好な居住水準を確保するために、一定の住宅面積が必要です。

注文住宅では面積要件を満たすケースが多いですが、都市部の狭小住宅やコンパクト住宅では注意が必要です。

狭小地で長期優良住宅を目指す場合は、契約前に住宅会社へ認定取得の可否を確認してください。

維持保全計画

長期優良住宅では、維持保全計画が必要です。

国土交通省は、認定を受けた住宅の建築工事完了後、認定を受けた維持保全計画に基づいて適切に維持保全を実施する必要があるとしています。また、建築・維持保全の状況に関する記録を作成・保存する必要もあります。

これは、かなり重要です。

長期優良住宅は「長持ちする仕様で建てる家」ではなく、「長持ちさせるために管理する家」です。

長期優良住宅のメリット

税制優遇を受けられる可能性がある

長期優良住宅の大きなメリットは、税制優遇を受けられる可能性があることです。

国土交通省は、認定長期優良住宅を新築・取得した場合、所得税、固定資産税、登録免許税、不動産取得税が軽減される制度があると案内しています。

主な優遇は次のとおりです。

税制 内容
住宅ローン減税 借入限度額や控除期間で有利になる場合がある
固定資産税 一般住宅より軽減期間が長くなる場合がある
登録免許税 一般住宅より税率が軽減される場合がある
不動産取得税 課税標準からの控除額が増える場合がある

ただし、税制優遇は自動的に受けられるわけではありません。

国土交通省も、各減税制度を利用するには、本人による手続きが必要で、所得税は税務署、固定資産税は市区町村、登録免許税は法務局、不動産取得税は都道府県税事務所での手続きが関係すると案内しています。

「長期優良住宅にしたから勝手に税金が安くなる」と考えるのは危険です。

必要書類と申請先を確認しましょう。

住宅ローン控除で有利になりやすい

長期優良住宅は、住宅ローン控除でも有利になりやすい住宅区分です。

国土交通省は、認定長期優良住宅の新築・取得について、年末ローン残高の0.7%を所得税等から最大13年間控除する制度を案内しています。令和8年1月1日から令和12年12月31日までの居住開始分では、新築住宅の借入限度額は4,500万円、子育て世帯等に該当する場合は5,000万円とされています。

ただし、ここでも誤解してはいけません。

住宅ローン控除は、借入残高の0.7%が必ず全額戻る制度ではありません。

所得税や住民税から控除する制度なので、納税額が少ないと控除しきれない場合があります。

また、所得要件、床面積要件、入居時期、災害レッドゾーンの扱いなども確認が必要です。国土交通省は、住宅ローン減税の主な適用要件として、床面積、所得、借入期間、居住条件などを示しています。

関連記事:住宅ローン控除はいつまで?注文住宅で損しない条件と注意点

固定資産税などで優遇を受けられる場合がある

長期優良住宅では、固定資産税、登録免許税、不動産取得税でも優遇を受けられる場合があります。

国土交通省は、一定の認定長期優良住宅や認定低炭素住宅の新築・取得について、固定資産税、登録免許税、不動産取得税の軽減措置があると案内しています。認定長期優良住宅では、一般住宅と比べて固定資産税の軽減期間延長や、不動産取得税の課税標準からの控除額増額などが示されています。

ただし、適用期限や要件は制度改正で変わる可能性があります。

実際に建てる時期、入居時期、自治体の手続きによって扱いが変わるため、住宅会社や自治体へ確認してください。

補助金の対象になる可能性がある

長期優良住宅は、国の住宅補助金の対象になる場合があります。

2026年の「みらいエコ住宅2026事業」では、新築の長期優良住宅・ZEH水準住宅が補助対象に含まれています。長期優良住宅・ZEH水準住宅の第2期は、2026年5月13日から12月31日までの受付とされ、予算上限に達した時点で受付終了となります。

みらいエコ住宅2026事業の長期優良住宅では、補助額が地域区分により異なります。

前回の記事で解説した通り、補助金は魅力的ですが、もらえる前提で資金計画を組むのは危険です。

補助金には、登録事業者、申請期限、工事時期、予算上限、完了報告などの条件があります。

関連記事:注文住宅の補助金はいつ申請する?使える制度と注意点

家の資産価値を説明しやすい

長期優良住宅は、認定を受けた住宅であるため、将来売却や相続を考えるときに、住宅性能を説明しやすいメリットがあります。

もちろん、長期優良住宅だから必ず高く売れるとは限りません。

売却価格は、立地、築年数、土地面積、周辺環境、建物状態、不動産市況によって変わります。

しかし、認定通知書や維持保全の記録があれば、買主に対して「どのような性能を持ち、どのように維持してきたか」を示しやすくなります。

これは、口頭で「しっかり建てました」と説明するより強い材料になります。

長く住む前提で計画しやすい

長期優良住宅は、長く使うことを前提に設計・維持管理を考えます。

そのため、次のような人には向いています。

  • 子ども世代まで住み継ぐ可能性がある
  • 老後まで同じ家に住みたい
  • 修繕しながら大切に住みたい
  • 住宅性能を重視したい
  • 短期的な安さより長期的な安心を重視したい
  • 税制優遇や補助金も活用したい

家を「とりあえず建てるもの」ではなく、「長く管理して使う資産」と考える人には相性が良い制度です。

長期優良住宅のデメリット

建築費が高くなりやすい

長期優良住宅は、認定基準を満たすために、一般的な仕様より建築費が高くなる場合があります。

費用が増えやすい項目は次のとおりです。

項目 費用が増えやすい理由
構造 耐震性を高めるための設計・材料
断熱 省エネ性能を満たすための断熱材・窓
劣化対策 防腐・防蟻・点検性への配慮
維持管理 点検口・配管計画など
申請 認定申請・審査・証明書
設計 性能計算や図面作成の手間

長期優良住宅にすると税制優遇や補助金の可能性があります。

しかし、追加費用を超えるメリットがあるかは、個別に計算しなければわかりません。

「税金が安くなるから得」と短絡的に考えるのは危険です。

見るべきなのは、次の差し引きです。

実質メリット
= 税制優遇・補助金・将来価値
- 追加建築費・申請費・維持管理費

ここを出さずに契約すると、思ったほど得にならない可能性があります。

申請や書類の手間が増える

長期優良住宅は、所管行政庁への認定申請が必要です。

着工前に申請が必要なため、設計段階で仕様を固める必要があります。国土交通省も、長期優良住宅の認定を受けようとする場合は、建築および維持保全に関する計画を作成し、着工前に所管行政庁へ申請する必要があるとしています。

そのため、次のような手間が増えます。

  • 認定申請書類の準備
  • 図面や性能資料の作成
  • 審査期間の確保
  • 認定通知書の保管
  • 維持保全計画書の保管
  • 点検記録の作成・保存
  • 将来の変更時の確認

住宅会社が対応してくれる部分も多いですが、施主が無関係でいられるわけではありません。

契約前に、申請費用、申請期間、必要書類、認定取得のタイミングを確認してください。

間取りや設計に制約が出る場合がある

長期優良住宅の基準を満たすために、間取りや設計に制約が出る場合があります。

たとえば、耐震性や維持管理の観点から、次のような希望が調整されることがあります。

  • 大きな吹き抜け
  • 極端に広いLDK
  • 大開口の窓
  • 複雑な建物形状
  • ビルトインガレージ
  • スキップフロア
  • 狭小地での特殊な設計
  • メンテナンスしにくい配管計画

もちろん、工夫次第で実現できる場合もあります。

ただし、すべての自由設計と長期優良住宅の認定が簡単に両立するわけではありません。

「デザイン最優先」で考える人は、早い段階で住宅会社へ確認すべきです。

維持保全の義務がある

長期優良住宅では、維持保全計画に基づいた点検や修繕が前提になります。

国土交通省は、認定計画実施者が認定を受けた維持保全計画に基づいて適切に維持保全を実施し、建築・維持保全の状況に関する記録を作成・保存する必要があるとしています。また、適切に維持保全されていない場合、是正指導や改善命令、認定取り消しにつながる可能性も示されています。

これは、長期優良住宅の重要なデメリットでもあります。

普通の家なら、点検や記録をどこまで残すかは施主の自由に近い部分があります。

しかし、長期優良住宅では、認定を受けた住宅として、計画通りに管理することが求められます。

面倒なことが嫌いな人、書類管理が苦手な人、点検を後回しにしがちな人は注意してください。

後から変更すると手続きが必要な場合がある

長期優良住宅では、認定を受けた計画を変更する場合、所管行政庁に変更認定を受ける必要がある場合があります。

国土交通省は、認定を受けた住宅の設計変更、増築・リフォーム、維持保全計画の変更などでは、軽微な変更を除いて計画変更の認定が必要になると案内しています。

つまり、建てた後に自由に大規模リフォームできるわけではありません。

もちろん、すべての変更が難しいわけではありませんが、認定基準に影響する変更では確認が必要です。

将来のリフォームや増築を考えている人は、最初の設計段階で相談しておきましょう。

ZEH住宅との違い

長期優良住宅とZEH住宅は、どちらも高性能住宅として語られます。

しかし、重視するポイントが違います。

比較項目 長期優良住宅 ZEH住宅
主な目的 長く良好な状態で住む エネルギー収支を正味ゼロに近づける
重視する点 耐久性、耐震性、維持管理、面積、災害配慮など 断熱、省エネ、創エネ
太陽光発電 必須ではない 一般的には重要
認定・証明 所管行政庁の認定 BELSなどの評価・証明が関係
メリット 税制優遇、維持管理、長期使用 光熱費削減、快適性、省エネ補助金
注意点 申請・維持保全の手間 初期費用・設備交換・発電条件

前回の記事で解説した通り、ZEH住宅は断熱・省エネ・創エネを組み合わせた住宅です。一方、長期優良住宅は、長く良好に使うための構造・維持管理・災害配慮などを含む認定制度です。

どちらか一方だけが正解ではありません。

注文住宅では、長期優良住宅かつZEH水準を目指すケースもあります。

ただし、性能を上げるほど費用も増えやすいため、補助金・税制優遇・建築費・維持費をセットで比較してください。

関連記事:ZEH住宅とは?注文住宅で後悔しないメリット・デメリット

長期優良住宅が向いている人

長期優良住宅が向いているのは、次のような人です。

  • 長く同じ家に住む予定がある
  • 老後まで安心して暮らしたい
  • 耐震性や耐久性を重視したい
  • 税制優遇を活用したい
  • 補助金の対象住宅を検討したい
  • 将来売却や相続の可能性がある
  • 維持管理をきちんと続けられる
  • 住宅性能を証明できる家にしたい
  • 初期費用より長期的な安心を重視する
  • ZEH水準や高断熱住宅にも関心がある

長期優良住宅は、短期的な安さを求める人より、長期的な住みやすさと管理しやすさを重視する人に向いています。

長期優良住宅を慎重に考えるべき人

一方で、次のような人は慎重に考えるべきです。

  • 初期費用をとにかく抑えたい
  • 数年以内に住み替える可能性が高い
  • デザインや間取りの自由度を最優先したい
  • 書類管理や点検記録が面倒
  • 維持保全計画を守る自信がない
  • 税制優遇だけを目的にしている
  • 補助金がないと予算が成立しない
  • 狭小地や特殊な土地で建てる
  • 将来のリフォーム自由度を重視したい
  • 住宅会社が長期優良住宅に不慣れ

厳しく言えば、長期優良住宅の制度を理解せず、「税金が安くなるならやる」という判断は浅いです。

認定を取るなら、建てた後の管理まで引き受ける覚悟が必要です。

長期優良住宅で後悔しやすいパターン

税制優遇だけで決める

長期優良住宅は税制優遇を受けられる可能性があります。

しかし、税制優遇だけで決めるのは危険です。

追加費用、申請費用、維持管理費を含めると、必ずしも大きく得になるとは限りません。

住宅ローン控除も、所得税や住民税から控除しきれるかで実際のメリットが変わります。

まずは、追加費用と優遇額を住宅会社に試算してもらいましょう。

申請費用を見落とす

長期優良住宅にするには、認定申請や性能評価に関する費用がかかる場合があります。

住宅会社によって、標準仕様に含まれている場合もあれば、オプション扱いの場合もあります。

契約前に確認すべき費用は次のとおりです。

  • 長期優良住宅対応費
  • 認定申請費
  • 設計性能評価費
  • 建設性能評価費
  • 住宅性能証明書
  • 構造計算費
  • 省エネ計算費
  • 申請代行費

「長期優良住宅対応」と書かれていても、認定取得まで含むのか、基準相当なのかを確認してください。

維持保全を軽く見る

長期優良住宅は、認定後の維持保全が前提です。

点検や記録を怠ると、将来の売却時や行政からの報告要請時に困る可能性があります。

書類は必ず保管してください。

  • 認定通知書
  • 維持保全計画書
  • 設計図書
  • 点検記録
  • 修繕記録
  • 住宅設備の保証書
  • 工事写真
  • リフォーム履歴

長期優良住宅は、建てた時点よりも、住み始めてからの管理で価値が変わります。

住宅会社が不慣れ

長期優良住宅は、住宅会社の経験値も重要です。

慣れていない会社だと、申請スケジュール、必要書類、仕様確認で手戻りが発生する可能性があります。

契約前に、次の質問をしてください。

  • 長期優良住宅の実績は何棟ありますか?
  • 標準仕様で認定を取れますか?
  • 追加費用はいくらですか?
  • 申請期間はどれくらいですか?
  • 認定通知書はいつ取得できますか?
  • 維持保全計画書は誰が作成しますか?
  • 点検記録の保管方法は案内してくれますか?

曖昧な回答しか出ない場合は注意が必要です。

長期優良住宅にする前のチェックリスト

性能

□ 長期優良住宅の認定基準を理解した
□ 耐震性を確認した
□ 劣化対策を確認した
□ 維持管理のしやすさを確認した
□ 省エネ性能を確認した
□ 災害リスクへの配慮を確認した
□ 住宅面積要件を確認した
□ ZEH水準との関係を確認した

費用

□ 長期優良住宅対応費を確認した
□ 認定申請費を確認した
□ 設計・審査費を確認した
□ 追加工事費を確認した
□ 税制優遇額を試算した
□ 補助金対象か確認した
□ 補助金なしでも予算が成立する
□ メンテナンス費を見込んだ

手続き

□ 着工前申請が必要なことを理解した
□ 申請スケジュールを確認した
□ 所管行政庁への申請を確認した
□ 認定通知書の取得時期を確認した
□ 必要書類の保管方法を確認した
□ 将来変更時の手続きを確認した

維持管理

□ 維持保全計画を確認した
□ 点検時期を確認した
□ 点検費用を確認した
□ 修繕記録を残す準備をした
□ 認定通知書を保管する
□ 維持保全計画書を保管する
□ 住宅履歴情報を残す方法を確認した

住宅会社に聞くべき質問

長期優良住宅を検討するなら、住宅会社へ次の質問をしてください。

認定について

  • この住宅は長期優良住宅の認定を取れますか?
  • 標準仕様で認定可能ですか?
  • 認定取得には追加費用がかかりますか?
  • 着工前申請のスケジュールはどうなりますか?
  • 認定通知書はいつ取得できますか?
  • 所管行政庁への手続きは誰が行いますか?

性能について

  • 耐震等級はいくつですか?
  • 断熱等性能等級はいくつですか?
  • 一次エネルギー消費量等級はいくつですか?
  • 劣化対策はどのような仕様ですか?
  • 点検口や配管の更新性はどうなっていますか?
  • 災害リスクに関する確認はしていますか?

費用について

  • 長期優良住宅にする追加費用はいくらですか?
  • 申請代行費はいくらですか?
  • 税制優遇の見込み額はいくらですか?
  • 補助金対象になりますか?
  • 補助金が受けられなかった場合も予算は成立しますか?
  • メンテナンス費用はどの程度見込むべきですか?

維持管理について

  • 維持保全計画書は作成されますか?
  • 点検スケジュールはどうなっていますか?
  • 点検記録はどのように残しますか?
  • 定期点検は有料ですか?
  • 将来リフォームする場合の注意点はありますか?
  • 売却時や相続時に必要な書類は何ですか?

この質問に明確に答えられない住宅会社なら、慎重に判断してください。

長期優良住宅は、建築時だけでなく、認定後の維持管理まで関係する制度です。

よくある質問

Q1. 長期優良住宅とは何ですか?

長期優良住宅とは、長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた住宅です。建築および維持保全の計画を作成し、所管行政庁へ申請することで認定を受けられます。

Q2. 長期優良住宅にすると必ず得ですか?

必ず得とは限りません。

税制優遇や補助金の対象になる可能性はありますが、建築費、申請費、維持管理費も増える場合があります。

追加費用と優遇額を比較して判断してください。

Q3. 長期優良住宅とZEH住宅はどちらがいいですか?

目的が違います。

長期優良住宅は、耐久性、耐震性、維持管理、長期使用を重視する制度です。

ZEH住宅は、断熱、省エネ、創エネによってエネルギー収支を正味ゼロに近づける住宅です。

予算に余裕があるなら、長期優良住宅とZEH水準を両方満たす選択もあります。

Q4. 長期優良住宅は後から申請できますか?

新築で認定を受ける場合、原則として着工前に申請が必要です。国土交通省も、長期優良住宅の認定を受けようとする場合、建築主または分譲事業者が建築・維持保全計画を作成し、着工前に所管行政庁へ申請する必要があるとしています。

Q5. 長期優良住宅はメンテナンスが必要ですか?

必要です。

認定後は、認定を受けた維持保全計画に基づいて適切に維持保全を行い、建築・維持保全の状況に関する記録を作成・保存する必要があります。

Q6. 長期優良住宅は補助金を使えますか?

制度や年度によって異なります。

2026年のみらいエコ住宅2026事業では、新築の長期優良住宅・ZEH水準住宅が補助対象に含まれています。ただし、登録事業者、申請期限、予算上限などの条件があります。

まとめ|長期優良住宅は「取ること」より「維持すること」が重要

長期優良住宅は、注文住宅で長く安心して暮らしたい人にとって有力な選択肢です。

耐震性、耐久性、省エネ性、維持管理のしやすさなどに配慮し、認定を受けることで、税制優遇や補助金の対象になる可能性もあります。

ただし、長期優良住宅は「認定を取れば終わり」ではありません。

建てた後も、維持保全計画に基づいて点検・修繕・記録保存を続ける必要があります。

最後に、重要ポイントをまとめます。

  • 長期優良住宅は長く良好な状態で使うための認定住宅
  • 着工前に所管行政庁へ認定申請が必要
  • 認定基準には構造・面積・居住環境・維持保全・災害配慮がある
  • 税制優遇や住宅ローン控除で有利になる場合がある
  • 補助金の対象になる可能性がある
  • 建築費や申請費が増える場合がある
  • 間取りや設計に制約が出る場合がある
  • 認定後は維持保全計画に沿った管理が必要
  • 点検記録や修繕記録を保存する必要がある
  • 税制優遇だけでなく、長く住む価値で判断する

長期優良住宅で後悔しないためには、税金や補助金だけで判断しないことです。

本当に大事なのは、自分たちがその家にどれくらい長く住むのか、維持管理を続けられるのか、追加費用に見合う価値を感じられるかです。

注文住宅で長期優良住宅を検討するなら、住宅会社に認定実績、追加費用、認定スケジュール、維持保全計画、税制優遇、補助金まで具体的に確認し、納得したうえで進めましょう。

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