
新築の引き渡しが近づくと、「入居前に家中を掃除したほうがいい?」「床にワックスをかけるべき?」「水回りのコーティングや汚れ防止テープも必要?」と迷うことがあります。家具がないうちに準備したい一方で、引っ越しや各種手続きと重なり、使える時間は限られています。
入居前に優先したいのは、家の状態を確認し、生活を始める場所と、家具で隠れる場所を素材に合った方法できれいにすることです。紹介されている対策をすべて実施する必要はありません。設備によっては、良かれと思って行った研磨や薬剤の使用、追加のコーティングが適さない場合もあります。
この記事では、新築の入居前掃除をどこまで行うか、場所ごとの優先順位、避けたい作業、落ちない汚れを見つけた場合の相談方法を解説します。採用した床材や設備の説明書を確認しながら、自宅に必要な作業を選びましょう。
この記事のポイント
- 最初に住宅会社の清掃範囲と、引き渡し時の状態を確認する
- 家具で隠れる床・空の収納・入居当日に使う水回りを優先する
- 洗剤、研磨道具、コーティングは製品ごとの使用条件を確認する
- 落ちない汚れや傷は無理に処理せず、写真を残して住宅会社へ相談する
新築の入居前掃除はどこまで必要?優先順位を先に決める

新築の入居前掃除に、すべての家庭に共通する作業量はありません。引き渡し時にどこまで清掃されているか、補修工事が残っているか、家具をいつ搬入するかによって、施主が行う作業は変わります。まずは室内を見て、必要な場所を絞り込みましょう。
「新築だから掃除不要」と「家中の徹底洗浄が必要」の両方を避ける
完成したばかりの家でも、内覧や設備の説明、補修作業などの後でほこりや足跡が気になることは考えられます。一方で、見た目にもきれいな面を強い洗剤で何度も洗ったり、使っていない設備を分解したりすることを入居準備の前提にする必要はありません。
掃除を始める前に、部屋ごとに「ほこりを取る」「手入れ方法を調べる」「住宅会社へ確認する」の三つに分けてメモしてください。すぐ作業できる場所と、判断を待つ場所が分かれるため、無駄に道具を買ったり、同じ場所を繰り返し触ったりすることを減らせます。
| 優先度 | 対象 | 先に行う理由 |
|---|---|---|
| 最優先 | 状態確認、気になる傷や汚れの記録 | 掃除や搬入で状態が変わる前に相談できる |
| 高い | 家具・家電を置く床、空の収納内部 | 荷物が入ると手が届きにくくなる |
| 高い | 入居当日に使うキッチン、洗面、浴室、トイレ | 生活を始める準備につながる |
| 状況次第 | 窓の内側、建具、玄関などの目立つ汚れ | 汚れの程度と作業時間で調整できる |
| 必要性を確認 | 追加のコーティング、テープ、保護用品 | 製品との適合や管理方法を先に確認する必要がある |
時間が少ないなら、生活開始に必要な場所から進める
引き渡しと引っ越しが近い場合は、すべての部屋を同じ水準まで仕上げようとしないほうが予定を組みやすくなります。冷蔵庫やベッドを置く場所、食器をしまう棚、家族が使うトイレなど、搬入や生活開始に直接関係する場所を先に決めてください。
窓や外回りなど、入居後でも作業できる場所は別日に回す案もあります。ただし、気になる汚れや不具合の連絡まで後回しにする必要はありません。作業する日と相談する日を分け、記録と連絡は早めに済ませましょう。
掃除の前に、住宅会社の清掃範囲と補修予定を確認する

施主が入居前に行う掃除と、住宅会社が引き渡しまでに行う清掃・補修は、役割を分けて確認しておきたいところです。「引き渡し前にクリーニングします」という説明がある場合も、対象の部屋、収納内部、設備、窓などの範囲を聞いておくと、準備する内容が具体的になります。
清掃が終わる日と、その後に入る工事を聞く
室内の清掃が済んでも、その後に建具の調整、器具の取り付け、補修などが予定されている場合があります。施主の掃除の直後に作業が入ると、同じ場所を掃除し直すことになりかねません。
住宅会社には「室内の清掃はいつ完了しますか」「その後の作業はどの部屋ですか」「作業後の清掃は誰が行いますか」と質問しましょう。入居後に補修が行われる場合も、動かす家具や養生する範囲をあらかじめ確認しておくと、予定を組みやすくなります。
入居前掃除は、施主検査の代わりにはならない
掃除中に傷を見つけることはありますが、施主検査で確認すべき事項を、入居前掃除だけで済ませようとしないことが大切です。設備の動作や建具の開閉、図面・仕様との照合などは、掃除とは別の時間を設けたほうが確認に集中できます。
引き渡し前に指摘した内容がある場合は、対応が終わっているものと、未対応のものを一覧にします。未対応箇所の周囲を磨いたり、テープや保護シートで覆ったりする前に、住宅会社へ扱いを確認してください。
傷・接着剤・塗料のような付着物は、触る前に記録する
落ちにくそうな付着物を見つけても、最初から削ったり、溶剤を使ったりしないでください。汚れに見えるものが表面の傷や施工上の問題だった場合、自分で処理することで元の状態が分かりにくくなる可能性があります。
部屋全体の中で位置が分かる写真と、近くから撮った写真を残します。「キッチン入口の床」「洗面台右側の扉」など場所を明記し、発見した日と、まだ手を加えていないことを伝えると相談しやすくなります。
いつ掃除する?引き渡し・家具搬入に合わせた段取り

掃除日は、単独で決めるより、引き渡し、設備工事、家具・家電の配送、引っ越しの日程と一緒に考えると調整しやすくなります。基本的には、室内に荷物が少なく、作業が重ならない時間を確保することが目標です。
引き渡し前に入る場合は、住宅会社へ確認する
引き渡し前の建物へ施主だけで入り、自由に掃除してよいとは限りません。立ち入りできる日、鍵の扱い、作業可能な範囲を住宅会社へ確認してください。現場側の養生や部材を、掃除のために勝手に外さないことも大切です。
水道や電気を使えるか、使用してよい設備はどれかも確認します。水が出ることを見てすべての設備が使用可能だと判断せず、住宅会社の説明に沿って進めましょう。
掃除後に家具を置くまでの時間を見込む
水拭きを認められている場所でも、湿った状態のまま収納用品や家電を置く予定にはしないようにします。作業の順番は、ほこりを取る、必要な拭き掃除をする、仕上がりを確認する、家具を入れるという流れで考えてください。
業者へ清掃や施工を頼む場合は、終了時刻だけでなく、その後いつから人が歩けるか、家具を置けるか、水を使えるかを確認します。入居当日の朝に作業を集中させると、予定がずれたときに調整する余地が小さくなります。
同日に複数の業者が来る場合は、作業場所を分ける
エアコン工事、照明取り付け、大型家電の配送などが重なる場合、掃除道具が通路を塞いだり、作業中の部屋へ人が出入りしたりしないよう調整します。予定表には業者名だけでなく、使う部屋と通る経路も書いておきましょう。
時間指定ができない配送があるときは、その時間帯に床全面を濡らす作業を予定しないなど、変更しやすい段取りを考えます。掃除する人と来客対応をする人を分けられるなら、役割を決めておくと中断を減らせます。
最初にそろえる道具は、素材に合う最小限でよい
入居前だからといって、用途の違う洗剤を一度に大量購入する必要はありません。先に床材や設備の品番を調べ、必要な道具と、使ってはいけない物を確認すると、買い直しを減らせます。
柔らかい布・ほこり取り・記録用の道具から用意する
まず候補になるのは、清潔で柔らかい布、対象の面に使えるほこり取り、家庭ごみ用の袋、手袋、スマートフォンなどです。布は場所ごとに使い分けられるよう複数枚あると便利です。洗剤やスポンジは、製品の説明書で必要な種類を確認してから追加しましょう。
キッチン、床、トイレで同じ布を使い回さないよう、色や保管袋を分ける方法もあります。掃除道具を新しい天板へ直接置かず、持ち運ぶ箱や置き場所を決めておくと、作業中の散らかりも抑えられます。
「中性」「天然由来」だけで、どの場所にも使えると判断しない
洗剤の性質を示す言葉だけでは、床、鏡、金属、樹脂など、すべての面への適合までは分かりません。確認するのは、住宅設備側が指定する洗剤の種類と、洗剤側が示す使用できる素材・使用できない素材の両方です。
濃度や放置時間も、別の商品で見た方法を流用しないようにします。自宅の製品について判断できない場合は、品番と使いたい洗剤名を添えてメーカーへ問い合わせ、確認できるまでは乾いたほこり取りなど、許可された範囲の作業にとどめましょう。
床と収納は、家具や荷物を入れる前に掃除する

入居前に取り組む価値が高いのは、家具の下になる床や、食器・衣類をしまう前の収納内部です。空の状態なら確認しやすく、荷物をいったん出して掃除する手間を省けます。ただし、床や棚の表面は製品によって手入れ方法が違います。
床は品番を確認し、乾いたほこりから取り除く
フローリングは見た目が似ていても、表面の仕上げや使用できる道具が同じとは限りません。仕様書や引き渡し資料からメーカー名と品番を確認し、掃除を始める前に日常のお手入れ方法を読みましょう。
例えばDAIKENの案内では、日常の乾拭き、落ちにくい汚れへの固く絞った布での水拭きと乾拭きを示す一方、湿式ロボット掃除機やスチームモップの使用を禁止しています。別メーカーや別製品へ一律に当てはめず、自宅の床材の条件を確認してください。
実際の作業では、床に付いている異物を確認し、説明書で認められた方法でほこりを取ってから、必要な部分の拭き掃除へ進みます。掃除機を使う場合も、床材への適合とヘッドの状態を確認し、工事由来と思われる大きな破片までまとめて吸い込もうとしないようにしましょう。
部屋の奥から入口へ進めると、掃除済みの場所を歩き回らずに済む
床を掃除する順番は、家具を置く場所を先に決め、部屋の奥から入口へ進むと分かりやすくなります。道具の置き場所とごみをまとめる場所も入口側に用意しておくと、何度も往復する必要が減ります。
二階建てなら二階から一階へ進める案もありますが、配送予定や家族の作業分担に合わせて変えて構いません。大切なのは、掃除済みの部屋が分かるようにして、そこへ工事用品や段ボールを無計画に置かないことです。
収納は棚板だけでなく、奥や隅を確認する
キッチン収納、クローゼット、玄関収納などは、空の状態で内部を確認します。棚板の上だけでなく、奥の隅、引き出しの内側、荷物を置く底面など、収納後に見えにくくなる場所を順番に見ていきましょう。
棚板や引き出しを外す必要がある場合は、説明書で取り外し方を確認してください。無理に引っ張らず、取り外しを伴わない範囲で済ませる選択もあります。拭き掃除をした後は、表面の状態を確認してから食器や衣類を入れましょう。
保護シートは、掃除が終わってから必要性を判断する
棚の汚れを防ぐ目的でシートを使いたい場合は、棚の材質とシートの対応素材を照合します。「新築ではすべての棚に敷くもの」と決めず、置く物や取り替える手間を考えて、必要な場所だけに使う方法もあります。
敷いた後に棚の状態を確認しにくくならないか、端がめくれて収納物の出し入れを妨げないかも見てください。掃除を楽にする用品であっても、それ自体を点検・交換する手間が増える点は購入前に考えておきましょう。
キッチン・洗面・浴室・トイレは、素材と部位を分けて掃除する
水回りは入居当日から使うため、早めに準備しておきたい場所です。ただし、一つの設備でも、天板、鏡、樹脂部品、金属部分などで使える道具が異なります。「キッチン用の洗剤だから全部に使える」と考えず、部位別に確認しましょう。
キッチンは天板とシンクの仕様を確かめる
LIXILは、ワークトップの素材やコーティング加工の有無によって、掃除方法や使える道具・洗剤が異なると案内しています。新築時はまず、採用した天板とシンクの仕様を把握することが先です。
カウンター、シンク、扉、取っ手の順に表面を確認し、説明書に沿って必要な汚れを落とします。まだ調理していない段階で、頑固な油汚れを落とすための作業を一式行う必要はありません。水滴を残さないよう仕上げる方法など、通常のお手入れを覚える機会にしましょう。
シンク表面の模様や光沢が気になったときは、汚れか仕様かを確認してから対応します。研磨道具で一部分だけこするといった自己判断は避け、住宅会社へ写真を送り、納品時の状態と比べてもらってください。
洗面台の鏡は、くもり止め加工の有無を確認する
洗面台では、鏡を通常のガラスと同じ方法で磨いてよいか確認します。LIXILのくもり止めコート鏡の案内では、表面の樹脂膜を傷つけるため、研磨剤入りのクレンザーや古く固くなった布を使わないよう説明しています。
鏡、洗面ボウル、水栓、収納の扉は、それぞれ説明書の該当箇所を見ながら確認します。水栓の周囲に残った跡なども、強くこする前に、使用できる布や洗剤を確かめてください。
浴室は、通常のお手入れ範囲で準備する
浴室は浴槽、洗い場、排水口の見える範囲、カウンターなどを確認します。清掃済みで汚れが見当たらない場合は、使用前の確認と通常のお手入れの準備を優先し、分解清掃まで一律に行う必要はありません。
特に浴槽の側面パネルや、設備に付いたカバーは、利用者が外すことを想定しているかを説明書で確認しましょう。外し方が分からない部材を、動画で見た別製品の方法で外そうとしないでください。
入浴前に使い方の説明を確認し、掃除後はその浴室の案内に沿って水分を処理し、換気します。排水部品を外して洗った場合は、戻し方まで確かめ、部品を余らせたまま使い始めないようにします。
トイレは便器と便座、タンクを同じ洗剤で扱わない
トイレでは、便器の陶器部分と、便座などの樹脂部分を分けて考えます。TOTOのお手入れ案内でも、便器用の洗剤がウォシュレットの樹脂部分へ付いた場合の拭き取りや、タンク内部で使わない洗剤について、部位別の注意点が示されています。
入居前は、見える部分の状態を確認して、採用製品の通常の掃除方法で必要な箇所を整えましょう。タンクの中へ予防目的で洗剤を入れたり、便器用の薬剤を便座に塗ったりする前に、その製品で認められているかを確認してください。
床との境目に気になる汚れや隙間を見つけた場合も、先に住宅会社へ相談します。自己判断でテープや充填材を追加して覆うと、相談したい箇所が見えなくなってしまいます。
入居前に流行の汚れ防止対策を全部やる必要はない
入居前の対策を調べると、ワックス、コーティング、テープ、フィルターなど、多くの用品が紹介されています。しかし、紹介されている家と自宅の床材・設備が同じとは限りません。「掃除を減らせそう」という期待だけで選ばず、適合と管理の負担を確認しましょう。
ワックスとフロアコーティングは別々に確認する
DAIKENの前掲の案内では、ワックス不要の床材にワックスをかける必要はないとし、フロアコーティングについては不具合のおそれがあるため行わないよう説明しています。「新築の床を守るには必ず塗る」という判断はできません。
出典:DAIKEN「床材のお手入れ方法一覧」のワックス・フロアーコーティングに関する案内
施工を検討する場合は、まず床材メーカーへ品番を伝えて可否を確認します。その後、施工業者へ、対象床材での施工内容、仕上がり、維持管理、補修方法、責任の範囲を聞いてください。施工業者の保証があるという説明だけで、床材メーカーの条件まで満たすとは判断しないことが大切です。
マスキングテープは、貼る場所と剥がす管理まで考える
ほこりの入り込みを防ぐためにテープを検討するなら、貼付面の素材と、テープ側の使用条件を確認しましょう。貼ってよい面、貼る期間、交換や剥がし方が分からないまま、家中へ先に貼ることはおすすめしません。
必要性を判断する際は、実際にそこへ汚れがたまりそうか、通常の拭き掃除で対応できないかも考えます。テープを貼る時間だけでなく、入居後に点検して貼り替える時間を含めて、手間が減るかを比べてください。
特に、換気・排水に関わる開口部や、点検が必要な場所を覆う使い方は避けます。何のための隙間か分からない場合は、埋める前に住宅会社へ確認しましょう。
換気口や換気扇の追加フィルターは、対応品を確認する
Panasonicは一般換気扇のFAQで、市販フィルターではなく専用フィルターを使用するよう案内しています。この条件をすべての換気設備へ一律に広げることはできませんが、見た目のサイズが合うだけでは使用可否を判断できない例です。
出典:Panasonic「一般換気扇に市販のフィルターを使用してもよいか」
自宅の換気設備について、フィルターの品番、清掃方法、交換の目安を引き渡し時に確認してください。純正品が取り付けられている場所へ、さらに別のフィルターを重ねることも、メーカーの確認なしに行わないようにします。
「貼る・塗る・塞ぐ」の前に、四つの質問をする
購入に迷ったときは、次の四つを確認すると判断を整理できます。回答が分からない項目があるなら、入居日までに無理に実施せず、確認してから決めましょう。
- 自宅の製品・素材に使えると確認できているか
- 防ぎたい汚れや不便が、具体的に何なのか説明できるか
- 点検・交換・取り外しを続けられるか
- 問題が起きたとき、誰へ相談するか決まっているか
入居後に実際の汚れ方を見てから導入するほうが、必要な場所を絞れる場合もあります。家具を置いたら施工できないものと、生活を始めてからでも追加できるものを分けて考えると、準備を詰め込みすぎずに済みます。
窓・玄関・換気設備は、無理なく届く範囲から確認する
室内の主要な場所が整ったら、窓や玄関などを確認します。入居前の一日で屋内外をすべて仕上げることを目標にせず、手が届く範囲と専門の作業が必要な場所を分けましょう。
窓や玄関の汚れは、工事が残っているかを見て判断する
外構工事が続いている場合は、室内の掃除を優先し、外回りの仕上げは工事予定に合わせる方法があります。玄関から土や砂を持ち込まないよう、掃除をする人と作業者がどこを通るかを確認してください。
窓の清掃も、ガラスだけでなく、サッシや網戸の手入れ方法を確認して進めます。高い窓や外側へ身を乗り出す必要がある場所は、入居前に自分で終わらせることにこだわらず、対応できる業者へ相談しましょう。
換気設備は掃除の対象であると同時に、使い方を覚える対象
Panasonicは24時間換気システムについて、常時運転とフィルターの定期的な掃除・交換を案内しています。入居前には、スイッチの位置だけでなく、日常の設定と、手入れの際の停止・復帰の手順を確認しておきましょう。
出典:Panasonic「絶対切っちゃダメ? 意外と知らない24時間換気システムあれこれ」
掃除のために取扱説明書に沿って停止や取り外しを行った場合は、作業後に元の状態へ戻すところまでを一つの作業にします。フィルターを取り外したまま忘れたり、掃除が終わっても運転を戻さなかったりしないよう、終了時の確認表へ入れてください。
においや湿気が気になる場合は、芳香用品を増やす前に、換気設備が説明どおりの状態になっているかを確認します。原因の分からない強いにおいなどは、掃除不足と決めつけず住宅会社へ相談しましょう。
落ちない汚れや傷は、無理に処理せず相談する
新築の掃除で迷いやすいのが、目の前の跡が「掃除で落とすもの」か「住宅会社に確認してもらうもの」かという判断です。通常のお手入れで落ちない場合は、作業を強くする前に相談へ切り替えましょう。
汚れ・傷・仕上げの違いを、自分だけで断定しない
床の白い跡、天板の光沢の違い、鏡の曇りなどは、写真だけでは原因を判断しにくい場合もあります。落とそうとして何種類も洗剤を試すと、どの状態から変わったのか説明しにくくなります。
相談時には、場所、発見日、見た目、触ったかどうか、使った道具や洗剤を伝えます。すでに掃除した後でも隠す必要はありません。「最初はこう見えた」「この方法で拭いたが変わらない」と順番に説明してください。
住宅会社へ送る相談文の例
次の例のように、確認してほしい内容と作業予定を一緒に伝えると、対応の時期を相談しやすくなります。日時や場所は自宅の状況へ置き換えてください。
入居前の確認中に、リビングの窓側の床に白い跡を見つけました。全体と近接の写真を添付します。現時点では洗剤や研磨道具は使っていません。通常のお手入れで対応してよいものか、現地での確認が必要か教えてください。家具搬入を予定しているため、確認できる日時も相談させてください。
補修が必要なら、家具搬入との順番を調整する
現地確認や補修が必要になったら、作業範囲、立ち会いの要否、家具を置いてよいかを聞きます。補修する床の上へ大型家具を先に置くと、再度動かす調整が必要になるかもしれません。
連絡した内容と回答は、写真と同じ場所に残しておきましょう。問題が解消したら、いつ、どのような作業をしたのかも記録します。これは責任を先に決めつけるためではなく、その後の相談で経緯を正確に伝えるためです。
自分で掃除する?業者へ依頼する?作業範囲で決める
入居前掃除をすべて自分で行うか、すべて業者へ任せるかの二択にする必要はありません。空の収納や手の届く床は自分で行い、高所や手入れ方法の判断が難しい場所だけ相談するなど、範囲を分ける考え方もあります。
業者へは「新築一式」だけでなく、具体的な場所を伝える
見積もりを依頼する場合は、間取りや広さに加えて、清掃済みか、家具が入っているか、希望する場所、床材や設備の品番を伝えます。建築後の付着物を除去したいのか、入居前の軽い拭き掃除を頼みたいのかでも、必要な作業は変わります。
清掃とは別のワックスやコーティングが提案されたら、それが何のための作業かを確認してください。依頼した掃除に自動的に含めるのではなく、対象製品の条件を確認したうえで、行うかどうかを別に決めましょう。
費用は金額だけでなく、含まれる作業をそろえて比較する
新築の清掃費用を比較する際は、対象の場所、作業人数、汚れの状態、道具や洗剤、家具移動の有無などの条件をそろえます。面積だけの相場で予算を決めるより、希望する作業を明確にした見積もりのほうが判断に使えます。
| 項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 清掃範囲 | 収納内部、窓、サッシ、水回りのどこまで含むか |
| 追加作業 | 付着物除去、家具移動、高所作業などが別料金か |
| 製品との適合 | 床材や設備の説明書に沿った方法で作業できるか |
| 日程 | 作業終了後、いつから家具搬入や設備使用ができるか |
| 対応窓口 | 傷や仕上がりの問題を発見した場合、誰へ連絡するか |
住宅会社の清掃範囲と重なっている場合は、二重に依頼する前に調整します。引き渡し時点で残っている汚れを、施主が当然に追加費用で処理するものだと決めず、まず住宅会社へ確認してください。
入居前掃除の最終チェックリスト
作業の終了時は、きれいになったかだけでなく、家具や荷物を安全に入れられる状態かも確認します。家族で担当を分けた場合は、それぞれの部屋の完了状況を共有してください。
- 気になる傷や汚れを、掃除・搬入前に記録した
- 住宅会社へ相談する箇所と、回答待ちの内容が分かる
- 家具・家電の下になる床と、収納内部を確認した
- 水拭きした場所に水分や洗剤が残っていない
- 入居当日に使う水回りが説明書に沿って準備できている
- 外した部品や、変更した設備の設定を元へ戻した
- 掃除道具やごみが搬入経路を塞いでいない
- 閉めるべき窓や扉、換気設備の運転状態を確認した
終わらなかった作業は、入居後の予定へ移します。「清掃未完了」とだけ書かず、「寝室の窓内側」「玄関収納上段」など場所を具体的に残しておくと、短い時間でも続きを進めやすくなります。
新築の入居前掃除でよくある質問
住宅会社が清掃していても、もう一度掃除するべきですか?
室内の状態と清掃範囲を確認して決めます。すべてをやり直す前提にせず、気になるほこり、家具で隠れる場所、生活開始に必要な水回りを優先してください。清掃済みの説明と実際の状態が大きく違う場合は、住宅会社へ確認しましょう。
入居前に家中を水拭きしてもよいですか?
床や壁、収納などの材質によって扱いが異なるため、一律には判断できません。自宅の製品資料を確認し、水拭きが認められている部分だけ、指定された方法で行います。水分を多く使えばきれいになるとは考えないことが大切です。
メラミンスポンジで気になる汚れを落としてよいですか?
対象製品と部位の手入れ方法を確認してください。特に表面加工がある場所は、似た素材の掃除例を流用しないようにします。使用可否が確認できない場合や、新築時からある原因不明の跡は、先に住宅会社やメーカーへ相談しましょう。
床のコーティングは家具がない今、必ず行うべきですか?
必須ではありません。床材メーカーが認めていない場合もあるため、最初に品番を確認します。施工できるとしても、費用、仕上がり、維持管理、補修方法を確認し、自宅に必要かを判断してください。
入居前の掃除には何時間かかりますか?
広さだけでなく、清掃状態、作業人数、対象の場所によって変わります。部屋ごとに必要な作業を書き出し、家具搬入前に終わらせる場所から時間を割り当てましょう。一般的な目安だけで配送直前まで予定を詰めないことが大切です。
虫対策や防カビ用品も入居前に全部使うべきですか?
一律に必要とはいえません。実際に対処したい状況と、製品の対象場所・使用条件を確認して判断します。家の設備を覆う、隙間を塞ぐ、薬剤を使用するといった作業は、住宅設備への適合を確認してから行ってください。
掃除していたら傷を付けてしまいました。どうすればよいですか?
それ以上の作業を止め、場所と状態、使った道具や洗剤を記録して住宅会社へ相談してください。市販の補修材を重ねて隠そうとせず、製品に合う対応方法を確認しましょう。すでに作業した内容も正確に伝えることが大切です。
まとめ|入居前掃除は、生活開始に必要な場所から整えよう
新築の入居前掃除では、住宅会社の清掃範囲と室内の状態を確認し、家具で隠れる床、空の収納、入居当日に使う水回りを優先しましょう。落ちない汚れや傷は、無理に処理する前に記録して相談することが大切です。
汚れ防止用品を選ぶ際は、貼る・塗る作業そのものより、自宅の製品に合うか、入居後に管理できるかを確認してください。対策を増やすほどよいとは限りません。通常のお手入れで済む場所は、その方法を家族で共有するだけでも準備になります。
まず行うことは、床材・設備の品番をそろえ、清掃済みの場所と気になる場所を一周して確認することです。そのうえで必要な掃除を絞り、引っ越し後も続けられる手入れにつなげましょう。
※本記事は2026年9月24日に確認した情報をもとに作成しています。紹介したメーカーの注意事項は対象製品の案内であり、すべての床材・住宅設備に共通する条件ではありません。自宅で採用した製品の取扱説明書とメーカーの最新案内を確認してください。