
注文住宅の土地契約後に、「隣の屋根がこちらの敷地に入っている」「ブロック塀が越境している」「水道管や排水管が隣地を通っている」とわかり、不安になる人は少なくありません。
「境界確認のときに越境が発覚した」
「古家解体後に隣地の配管が見つかった」
「隣の雨どいがこちらの敷地に入っている」
「こちらの新築の庇や室外機が越境しそう」
「越境覚書があると言われたが内容がわからない」
「そのまま建てても大丈夫なのか不安」
「土地契約をキャンセルできるのか知りたい」
このような越境トラブルは、土地契約後に気づくとかなり厄介です。
結論から言うと、土地契約後に越境が発覚した場合、まずやるべきことは感情的に隣人へ直接交渉することではなく、境界資料・売買契約書・重要事項説明書・越境覚書を確認することです。
越境には、次のような種類があります。
- 屋根の越境
- 庇の越境
- 雨どいの越境
- ブロック塀の越境
- フェンスの越境
- 擁壁の越境
- 室外機や給湯器の越境
- 配管の越境
- 排水管の越境
- 水道管の越境
- ガス管の越境
- 樹木の枝や根の越境
- 物置やカーポートの越境
- 古い基礎や地中埋設物の越境
特に注意したいのは、越境物がある土地は、建物配置・外構・ライフライン工事・将来売却に影響する可能性があるということです。
法務省は、土地購入時には境界をよく確認し、境界標が移動・亡失することもあるため、境界トラブル防止のための管理が重要だと案内しています。境界標の設置や境界に関わる調査・測量は、土地家屋調査士への相談も選択肢になります。
また、民法では、土地所有者は直接に雨水を隣地へ注ぐ構造の屋根などを設けてはならないとされています。屋根・庇・雨どいの計画は、越境だけでなく雨水処理まで含めて確認が必要です。
この記事では、土地契約後に越境が発覚したときの対処法、屋根・塀・配管・樹木・雨水・覚書の確認ポイント、契約前に後悔しないためのチェックリストを初心者向けに解説します。
この記事でわかること
- 越境とは何か
- 土地契約後に越境が発覚する原因
- 屋根・庇・雨どいの越境で注意すること
- ブロック塀・フェンス・擁壁の越境で確認すべきこと
- 配管・水道管・排水管の越境で後悔しないポイント
- 越境覚書の見方
- 越境がある土地で住宅ローンや売却に影響する理由
- 契約解除を考える前に確認すべきこと
- 不動産会社・住宅会社・土地家屋調査士に聞くべき質問
越境とは

越境とは、建物や工作物、樹木、配管などが土地の境界線を越えて、隣地や道路側に入り込んでいる状態のことです。
注文住宅の土地探しでは、土地価格や面積だけを見て契約すると、あとから越境に気づくことがあります。
よくある越境物は次のとおりです。
- 隣家の屋根
- 隣家の庇
- 隣家の雨どい
- ブロック塀
- フェンス
- 擁壁
- 庭木の枝
- 庭木の根
- エアコン室外機
- 給湯器
- 物置
- カーポート
- 水道管
- 下水管
- 雨水管
- ガス管
- 古い基礎
- 地中埋設物
越境は、見た目でわかるものもあれば、測量や解体後でないとわからないものもあります。
特に、配管や古い基礎など地中の越境は、土地契約後や工事開始後に発覚しやすいです。
なぜ契約後に発覚するのか

越境が土地契約後に発覚する理由は、契約前の確認不足だけではありません。
土地の境界や古い建物の状態によって、契約前には見えにくい越境もあります。
よくある原因は次のとおりです。
- 境界標がなかった
- 境界確認書がなかった
- 確定測量されていなかった
- 古いブロック塀を境界だと思っていた
- 隣家の屋根や雨どいを見落としていた
- 古家解体後に配管や基礎が見つかった
- 土地が狭く、隣地との距離が近かった
- 外構計画を立てて初めて気づいた
- 住宅会社が現地確認するまで判明しなかった
- 重要事項説明書や物件状況報告書を十分に確認していなかった
特に、古い住宅地や狭小地、旗竿地、境界が複雑な土地では注意が必要です。
越境は、すぐ撤去できるものもあれば、隣地所有者との話し合いが必要なものもあります。
「少しだから大丈夫」と軽く判断しないようにしましょう。
まず確認する書類
土地契約後に越境が発覚したら、まず書類を確認してください。
確認すべき書類は次のとおりです。
- 売買契約書
- 重要事項説明書
- 物件状況報告書
- 告知書
- 公図
- 登記事項証明書
- 地積測量図
- 確定測量図
- 境界確認書
- 越境に関する覚書
- 道路境界確認書
- 私道通行・掘削承諾書
- 上下水道管の管理図
- ガス管の埋設図
- 現地写真
- 建物配置図
- 外構図
不動産適正取引推進機構の紛争事例検索でも、越境物の説明不備をめぐるトラブルは「境界等に関するもの」として扱われています。越境は、契約判断に影響しやすい重要な確認事項です。
まずは、越境について契約前に説明されていたのか、書面に記載があるのか、売主・不動産会社が把握していたのかを確認しましょう。
境界を確認する
越境を判断するには、まず境界がどこかを確認する必要があります。
境界が曖昧なままでは、本当に越境しているのか判断できません。
確認すべきポイントは次のとおりです。
- 境界標があるか
- 境界確認書があるか
- 確定測量図があるか
- 地積測量図があるか
- 境界標と図面が一致しているか
- 隣地所有者も境界を認めているか
- 道路境界も確定しているか
- ブロック塀の位置と境界線が一致しているか
法務省は、筆界と所有権界が異なる場合があることを説明しています。一般的にいう「境界」が筆界を指す場合もあれば、所有権の範囲を示す線として使われる場合もあるため、問題の性質を分けて考える必要があります。
越境トラブルでは、「境界がどこか」という問題と、「誰がどこまで使えるか」という問題が混ざりやすいです。
複雑な場合は、土地家屋調査士や弁護士に相談してください。
屋根・庇の越境
屋根や庇の越境は、古い住宅地でよく見られます。
隣家の屋根や庇がこちらの敷地に入っている場合もあれば、こちらの新築計画で隣地へ出そうになる場合もあります。
確認すべきポイントは次のとおりです。
- 屋根や庇が境界を越えていないか
- 雨どいが境界内に収まっているか
- 足場を組めるスペースがあるか
- 将来のメンテナンスができるか
- 隣地へ雨水が落ちないか
- 越境について覚書があるか
- 建て替え時に解消する約束があるか
民法では、建物を築造するには、原則として境界線から50センチメートル以上の距離を保たなければならないとされています。ただし、地域の慣習や個別事情も関係するため、住宅会社・専門家へ確認することが重要です。
屋根・庇は、建物本体より軽く見られがちです。
しかし、境界に近い土地では、数センチの違いが越境トラブルにつながります。
新築前に、建物本体だけでなく、屋根の出、雨どい、軒、庇、室外機まで確認しましょう。
雨どい・雨水の注意点
雨どいは、越境と雨水トラブルの両方に関係します。
確認すべき項目は次のとおりです。
- 雨どいが境界を越えていないか
- 雨水が隣地へ直接落ちないか
- 竪樋の位置は問題ないか
- 雨水ますへ接続できるか
- 隣地側へ勾配が付いていないか
- 大雨時に隣地へ流れ込まないか
- 外構排水と整合しているか
民法では、土地所有者は直接に雨水を隣地へ注ぐ構造の屋根その他の工作物を設けてはならないとされています。雨どいや外構排水は、建物計画とセットで確認する必要があります。
特に、狭小地や隣家との距離が近い土地では、雨どいの位置が問題になりやすいです。
外観デザインだけでなく、雨水処理まで確認してください。
ブロック塀の越境
ブロック塀は、越境トラブルになりやすい代表例です。
確認すべきポイントは次のとおりです。
- 塀がどちらの土地にあるか
- 境界線上にあるか
- どちらかに越境しているか
- 誰の所有物か
- 共有物とされているか
- 老朽化していないか
- 撤去・補修に同意が必要か
- 費用負担は誰か
- 覚書があるか
境界線上にある塀は、所有関係や撤去・補修の扱いが複雑になりやすいです。
勝手に壊すと、隣地所有者とのトラブルになります。
古いブロック塀がある土地では、越境だけでなく安全性も確認してください。
外構費を抑えるために古い塀を残した結果、入居後に撤去費や隣地交渉が必要になることがあります。
フェンス・擁壁の越境
フェンスや擁壁も、境界付近でトラブルになりやすい部分です。
確認すべき項目は次のとおりです。
- フェンスの柱が越境していないか
- 基礎部分が越境していないか
- 擁壁が境界を越えていないか
- 擁壁の所有者は誰か
- 隣地との高低差を支えているか
- 補修や撤去に隣地同意が必要か
- 雨水排水に影響していないか
- 建物荷重に関係しないか
擁壁の越境は、単に「少し出ている」という問題では済まない場合があります。
擁壁は土を支える構造物なので、撤去や補修に費用と安全確認が必要です。
高低差のある土地では、土地契約前に擁壁の位置、所有者、越境の有無、補修責任を確認しましょう。
配管の越境
配管の越境は、見た目ではわかりにくいトラブルです。
土地契約後、古家解体後、外構工事中、水道工事中に発覚することがあります。
確認すべき配管は次のとおりです。
- 給水管
- 下水管
- 雨水管
- ガス管
- 排水管
- 浄化槽関連配管
- 古い配管
- 共有管
- 隣地を通る管
- 私道内を通る管
民法では、土地所有者が他の土地に設備を設置し、または他人所有の設備を使用しなければ電気・ガス・水道水などの継続的給付を受けられない場合、必要な範囲で他の土地に設備を設置したり、他人所有の設備を使用したりできる規定があります。
ただし、法律上の規定があるからといって、無断で隣地を掘ったり配管を通したりしてよいわけではありません。
工事方法、通知、費用負担、原状回復、将来修繕時の扱いを確認する必要があります。
排水管・雨水管の注意点
排水管や雨水管の越境は、入居後の生活に直結します。
確認すべきポイントは次のとおりです。
- 排水管が隣地を通っていないか
- 雨水管が隣地へ流れていないか
- 共有排水管ではないか
- 修理時に隣地を掘る必要がないか
- 排水勾配は問題ないか
- 詰まりや破損時の責任は誰か
- 使用料や維持管理費の取り決めがあるか
- 覚書があるか
民法では、他の土地の排水等の工作物の破損・閉塞により自己の土地に損害が及ぶ場合、修繕や障害除去、必要な予防工事を求められる規定もあります。排水設備は、設置時だけでなく維持管理まで見ておくべきです。
排水管の越境は、普段は問題がなくても、詰まりや破損、建て替え、売却時に問題化しやすいです。
土地契約前に、上下水道図面や排水経路を確認しましょう。
樹木の越境
隣地の木の枝や根が越境しているケースもあります。
確認すべきポイントは次のとおりです。
- 枝がどれくらい越境しているか
- 根が基礎や配管に影響しないか
- 落ち葉や実が多くないか
- 害虫の原因になっていないか
- 隣地所有者と話し合えるか
- 切除費用は誰が負担するか
- 建築工事前に処理が必要か
民法では、隣地の竹木の枝が境界線を越えるとき、土地所有者は竹木の所有者に枝を切除させることができます。一定の場合には越境した枝を自ら切り取れる規定もあり、根については越境部分を切り取れるとされています。
ただし、法律上可能な場合があることと、近隣関係を壊さずに進めることは別です。
いきなり切るのではなく、まず所有者へ相談し、記録を残しながら進める方が安全です。
越境覚書とは
越境覚書とは、越境物があることを関係者が確認し、その扱いを定める書面です。
よくある内容は次のとおりです。
- 現在の越境物を相互に確認する
- 当面は現状を認める
- 建て替え時に越境を解消する
- 修繕時に是正する
- 所有者が変わっても内容を承継する
- 撤去費用の負担を決める
- 損害が出た場合の対応を決める
- 将来売却時に買主へ説明する
越境がある土地でも、覚書がしっかり整っていればリスクを小さくできる場合があります。
ただし、覚書があれば必ず安心とは限りません。
確認すべきポイントは次のとおりです。
- 誰と誰の覚書か
- 対象の越境物が明確か
- 図面や写真が添付されているか
- 建て替え時の是正条件があるか
- 所有者変更時の承継条項があるか
- 署名押印があるか
- 日付があるか
- 今の所有者にも有効か
- 住宅ローンや売却時に説明できるか
口頭で「前の所有者同士で話がついている」と言われても不十分です。
必ず書面を確認してください。
越境がある土地のリスク
越境がある土地には、次のようなリスクがあります。
- 建物配置を変更する必要がある
- 外構工事ができない
- フェンスや塀を作れない
- 隣地所有者との関係が悪くなる
- 配管工事に承諾が必要になる
- 将来修繕時にトラブルになる
- 住宅ローン審査に影響する可能性がある
- 将来売却時に買主から敬遠される
- 売却時に説明資料が必要になる
- 契約解除や損害賠償の問題になる
越境は、購入時だけでなく、建築時、入居後、修繕時、売却時にも関係します。
小さな越境でも、将来の所有者が変わると問題になる可能性があります。
「今の隣人は許してくれているから大丈夫」と考えず、書面で残すことが大切です。
住宅ローンへの影響
越境がある土地では、住宅ローンにも注意が必要です。
金融機関は、土地や建物の担保価値を確認します。
越境がある場合、次のような点を見られる可能性があります。
- 越境の内容
- 越境覚書の有無
- 境界確定の有無
- 再建築への影響
- ライフライン工事への影響
- 将来売却時の説明可能性
- 建物計画への影響
- 是正予定の有無
すべての越境が住宅ローン不可につながるわけではありません。
しかし、越境の内容が重大で、覚書もなく、建物計画やライフラインに影響する場合は注意が必要です。
土地契約前に、金融機関へ越境資料を共有して確認しましょう。
将来売却への影響
越境は、将来売却時にも問題になります。
買主から見ると、越境がある土地は不安材料になるからです。
将来売却で問題になりやすいケースは次のとおりです。
- 越境覚書がない
- 境界が未確定
- 越境範囲が不明
- 配管が隣地を通っている
- ブロック塀の所有者が不明
- 屋根や雨どいが越境している
- 是正時期が決まっていない
- 隣地所有者と揉めている
- 買主へ説明しにくい
自分が買うときに不安な土地は、将来売るときにも買主が不安になります。
越境がある土地を購入する場合は、将来売却時に説明できる資料を残しておきましょう。
契約後に発覚したときの手順
土地契約後に越境が発覚したら、次の順番で確認してください。
手順1:越境の種類を分類する
屋根、庇、雨どい、塀、フェンス、配管、樹木、地中埋設物など、何が越境しているかを分けます。
手順2:境界資料を確認する
境界標、境界確認書、確定測量図、地積測量図を確認します。
手順3:契約書類を確認する
売買契約書、重要事項説明書、物件状況報告書、告知書に越境の記載があるか見ます。
手順4:越境覚書を確認する
覚書がある場合、対象物、是正時期、承継条項、費用負担を確認します。
手順5:住宅会社に影響を聞く
建物配置、外構、雨どい、室外機、配管、足場、工事車両に影響するか確認します。
手順6:土地家屋調査士へ相談する
境界や越境範囲が不明な場合は、土地家屋調査士に確認してもらいます。
手順7:不動産会社へ対応を求める
契約前に説明されていたか、売主側で是正できるか、覚書を整えられるか確認します。
手順8:必要なら専門家へ相談する
重大な越境、契約解除、損害賠償、隣地トラブルが絡む場合は、弁護士などへ相談します。
契約解除できるか
土地契約後に越境が発覚した場合、契約解除できるか気になる人も多いはずです。
結論としては、契約内容と説明状況によります。
確認すべき項目は次のとおりです。
- 重要事項説明書に越境の記載があるか
- 物件状況報告書に告知があるか
- 売買契約書に越境の扱いが書かれているか
- 越境覚書があるか
- 売主が越境を知っていたか
- 不動産会社が説明していたか
- 建物計画に重大な影響があるか
- ライフラインに支障があるか
- 契約不適合責任の対象になるか
- 手付解除期限内か
- ローン特約との関係
- 違約金条項
越境があるという理由だけで、当然に無料解除できるとは限りません。
一方で、重大な越境が説明されていなかった、説明内容と実態が違う、住宅建築やライフラインに支障がある場合は、別の問題になる可能性があります。
自己判断せず、不動産会社や専門家に相談してください。
やってはいけない行動
越境が発覚したとき、次の行動は避けてください。
- 隣人へ感情的に直接交渉する
- 境界を確認せず越境と決めつける
- 契約書を見ずにキャンセルを伝える
- 口頭説明だけで納得する
- 覚書なしでそのまま進める
- 住宅会社に越境資料を渡さない
- 配管の越境を軽く見る
- 雨どい・庇の出を確認しない
- 古いブロック塀を勝手に撤去する
- 将来売却への影響を考えない
越境問題は、感情的に動くほどこじれやすいです。
まず書類、次に測量・現地確認、その後に関係者との調整という順番で進めましょう。
契約前に確認すること
越境トラブルを防ぐには、土地契約前の確認が最も重要です。
最低限、次の項目を確認してください。
- 境界標があるか
- 境界確認書があるか
- 確定測量図があるか
- 越境物がないか
- 屋根・庇・雨どいが越境していないか
- ブロック塀やフェンスが越境していないか
- 擁壁の位置は問題ないか
- 隣地の樹木が越境していないか
- 配管が隣地や私道を通っていないか
- 越境覚書があるか
- 建て替え時に是正する条件があるか
- 住宅会社が現地確認したか
- 外構計画に影響しないか
- 将来売却時に説明できるか
越境は、土地の使いやすさと将来の安全性に関わります。
土地価格が安くても、越境問題が複雑なら慎重に判断しましょう。
不動産会社に聞くこと
土地契約前に、不動産会社へ次の質問をしてください。
境界・越境について
- 境界標はすべてありますか?
- 境界確認書はありますか?
- 確定測量済みですか?
- 越境物はありますか?
- 隣地からの越境はありますか?
- こちら側からの越境はありますか?
- ブロック塀は誰の所有ですか?
- 屋根・庇・雨どいの越境はありませんか?
覚書について
- 越境覚書はありますか?
- 対象の越境物は何ですか?
- 建て替え時に是正する内容ですか?
- 所有者が変わっても承継されますか?
- 図面や写真は添付されていますか?
- 売買契約に添付されますか?
配管について
- 給水管はどこを通っていますか?
- 下水管はどこを通っていますか?
- 排水管が隣地を通っていませんか?
- 共有管はありませんか?
- 私道掘削承諾は必要ですか?
- 将来修繕時の承諾はありますか?
契約について
- 重要事項説明書にどう記載されますか?
- 物件状況報告書に記載されますか?
- 売買契約書で越境はどう扱われますか?
- 契約不適合責任はどうなっていますか?
- 手付解除期限はいつですか?
「越境は少しだけです」と言われても、それだけでは不十分です。
何が、どこに、どれくらい、いつ是正されるのかを確認してください。
住宅会社に聞くこと
住宅会社には、建物・外構・工事への影響を確認しましょう。
建物計画について
- 越境物は建物配置に影響しますか?
- 境界からの離隔は足りていますか?
- 屋根・庇・雨どいは越境しませんか?
- 室外機や給湯器は置けますか?
- 足場は組めますか?
- メンテナンススペースはありますか?
外構について
- フェンスやブロック塀は作れますか?
- 既存塀は撤去できますか?
- 擁壁は問題ありませんか?
- 駐車場に影響しますか?
- 排水が隣地へ流れませんか?
- 目隠しフェンスは必要ですか?
配管について
- 水道管の引き込みは問題ありませんか?
- 下水道接続は問題ありませんか?
- 雨水排水はどこへ流しますか?
- 配管工事で隣地承諾は必要ですか?
- 既存配管を使えますか?
- 配管の引き直し費用はいくらですか?
住宅会社には、越境資料と測量図を必ず渡してください。
販売図面だけでプランを進めるのは危険です。
土地家屋調査士に聞くこと
境界や越境の判断が難しい場合は、土地家屋調査士に相談しましょう。
聞くべきことは次のとおりです。
- 本当に越境していますか?
- 越境範囲はどれくらいですか?
- 境界標は正しい位置にありますか?
- 確定測量が必要ですか?
- 境界確認書はありますか?
- 越境図を作れますか?
- 隣地所有者との立会いは必要ですか?
- 越境覚書作成に必要な図面は作れますか?
- 道路側にも越境はありませんか?
- 地積更正や分筆が必要ですか?
土地家屋調査士は、境界・測量・表示登記の専門家です。
越境の有無や範囲を正確に確認したい場合は、早めに相談しましょう。
金融機関に聞くこと
越境がある土地で住宅ローンを使う場合は、金融機関にも確認してください。
聞くべきことは次のとおりです。
- 越境がある土地でも融資可能ですか?
- 越境覚書は必要ですか?
- 確定測量図は必要ですか?
- 境界確認書は必要ですか?
- 配管越境は担保評価に影響しますか?
- 建物計画に影響する越境は問題になりますか?
- 是正予定が必要ですか?
- ローン特約期限に間に合いますか?
金融機関によって必要資料が変わることがあります。
契約後に慌てないためにも、越境がわかった時点で早めに相談してください。
契約前チェックリスト
境界確認
□ 境界標を確認した
□ 境界確認書を確認した
□ 確定測量図を確認した
□ 地積測量図を確認した
□ 道路境界を確認した
□ 境界とブロック塀の位置を確認した
□ 隣地所有者との立会い状況を確認した
□ 住宅会社に測量図を渡した
建物・工作物の越境
□ 屋根の越境を確認した
□ 庇の越境を確認した
□ 雨どいの越境を確認した
□ ブロック塀の越境を確認した
□ フェンスの越境を確認した
□ 擁壁の越境を確認した
□ 室外機・給湯器の位置を確認した
□ 物置・カーポートの越境を確認した
配管・排水
□ 給水管の経路を確認した
□ 下水管の経路を確認した
□ 雨水管の経路を確認した
□ ガス管の経路を確認した
□ 共有管ではないか確認した
□ 隣地を通る配管がないか確認した
□ 私道掘削承諾を確認した
□ 将来修繕時の扱いを確認した
覚書・契約
□ 越境覚書を確認した
□ 対象物が明確に書かれている
□ 是正時期が書かれている
□ 所有者変更時の承継条項がある
□ 図面・写真が添付されている
□ 重要事項説明書に記載がある
□ 物件状況報告書に記載がある
□ 契約不適合責任を確認した
将来リスク
□ 住宅ローンへの影響を確認した
□ 将来売却時に説明できる
□ 外構工事に影響しない
□ 建物メンテナンスに影響しない
□ 隣地所有者と揉めていない
□ 是正費用を確認した
□ 追加工事費を確認した
□ 家族全員が納得している
よくある質問
Q1. 越境がある土地は買わない方がいいですか?
必ず避けるべきとは限りません。
ただし、越境の内容、範囲、覚書の有無、建て替え時の是正条件、住宅ローンや将来売却への影響を確認する必要があります。
Q2. 隣の屋根や雨どいが越境していたらどうすればいいですか?
まず境界資料を確認し、本当に越境しているかを確認します。
そのうえで、越境覚書の有無、建て替え時の是正条件、雨水処理への影響を確認しましょう。
Q3. ブロック塀が越境している場合、勝手に撤去できますか?
勝手に撤去するのは危険です。
所有者、境界位置、共有物かどうか、撤去同意、費用負担を確認する必要があります。
不動産会社や土地家屋調査士に相談しましょう。
Q4. 配管が隣地を通っていても大丈夫ですか?
状況によります。
使用権限、覚書、将来修繕時の承諾、費用負担、引き直し可否を確認する必要があります。
書面がない場合は注意が必要です。
Q5. 越境覚書があれば安心ですか?
一定の安心材料にはなります。
ただし、対象物、是正時期、承継条項、図面・写真、署名押印があるかを確認してください。
内容が曖昧な覚書では不十分です。
Q6. 土地契約後に越境が発覚したらキャンセルできますか?
契約内容と説明状況によります。
重要事項説明書や物件状況報告書に記載があった場合、無料解除は難しいことがあります。
一方で、重大な越境が説明されていなかった場合は、不動産会社や専門家へ相談してください。
まとめ|越境は契約前に境界と覚書を確認する
土地契約後に越境が発覚すると、建物配置、外構、配管工事、隣地関係、将来売却に影響します。
越境は、見た目には小さな問題に見えても、注文住宅では大きな後悔につながることがあります。
最後に、重要ポイントをまとめます。
- 越境とは、建物・塀・配管・樹木などが境界を越えている状態
- 越境判断には境界確認が必要
- 境界標だけでなく境界確認書・確定測量図を見る
- 筆界と所有権界の違いを理解する
- 屋根・庇・雨どいは越境と雨水処理に注意する
- ブロック塀やフェンスは所有者と境界位置を確認する
- 配管越境は将来修繕や売却で問題になりやすい
- 樹木の枝や根は民法上のルールがあるが、対応は慎重にする
- 越境覚書は対象物・是正時期・承継条項を見る
- 住宅ローンや将来売却に影響する可能性がある
- 契約後に発覚したら、書類・測量・住宅会社確認の順に進める
- 感情的な直接交渉は避ける
- 契約解除できるかは契約内容と説明状況次第
土地探しでは、土地価格や広さだけで判断してはいけません。
屋根は出ていないか。
雨どいは境界内に収まっているか。
塀はどちらの所有物か。
配管は隣地を通っていないか。
越境覚書はあるか。
建て替え時に是正されるのか。
将来売却時に説明できるのか。
ここまで確認して初めて、安心して土地契約へ進めます。
土地契約後に越境トラブルで後悔しないためにも、契約前に不動産会社・住宅会社・土地家屋調査士へ確認し、境界・越境・覚書を曖昧にしたまま契約しないようにしましょう。
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